「日本は世界一の『がん大国』です。患者の発症率も死亡率も世界一。男性の2人に1人、女性の3人に1人が、がん死という現実です」。いきなりショッキングな話だが、この先生の穏やかな風貌、東北訛りの朴訥な語り口もあって、聞き手は素直に話に引き込まれていく。
小野寺時夫●おのでら・ときお 東北大講師時代に日本で最初の中心静脈栄養法を発案、全国に普及。米コロラド大学病院で当時最先端の肝臓移植に携わる。都立駒込病院副院長、都立府中病院院長、多摩がん検診センター所長などを経て、日の出ヶ丘病院ホスピス科勤務。著書に『治る医療、殺される医療』『がんのウソと真実』ほか。
「主な理由は、日本人の高齢化」。今後は、がん患者が急増し、がん死はさらに増加すると予想される。ところが、「日本は、がん対策後進国なのです」。
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(小倉和徳=撮影)


