今国内で外科医の腕や病院の優劣を年間の手術件数で評価しようとする動きがある。確かに手術の件数はひとつの評価基準にはなる。だが、手術件数が必ずしも評価の基準にはならない疾患もある。現在、日本の肛門科では約40%の患者が痔の手術を受けている。ところが、米国では手術の率はわずか4%、ドイツでも7%にすぎない。どうも日本の肛門科は手術をしすぎるのではなかろうか。
日本では「3人寄れば“痔主”が1人」といわれるほど痔で悩んでいる人が多い。ところが、多くの人は「肛門科へ行くと、すぐに手術をされる」という心配から受診を先延ばしにしがちである。実際、諸外国に比べ、受診の段階で、すでに手術が必要なまでに症状が悪化しているケースが多い。そのため、また手術件数が増えるという悪循環に陥っているのだ。
ここから先は有料会員限定です。
登録すると今すぐ全文と関連記事が読めます。
(最初の7日間無料・無料期間内はいつでも解約可)
プレジデントオンライン有料会員の4つの特典
- 広告非表示で快適な閲覧
- 雑誌『プレジデント』が最新号から読み放題
- ビジネスに役立つ学びの動画が見放題
- 会員限定オンラインイベント

