可愛らしい装丁につられて買ったが、中身はいたって硬派。思春期精神医学を専門とする著者が、現代の若者の間に蔓延する気分、価値観に舌鋒鋭く切り込んでいる。

第1パート「思春期解剖学」では、生存の不安から実存の不安への移行が論じられる。自分が何者であるか、という実存の不安。これを解消してくれたのは、1970年代までは宗教や思想だった。それが心理学にとってかわり、今世紀に入って前景化したのが、「コミュニケーション偏重主義」だという。

「コミュ力」「コミュ障」「KY(空気が読めない人)」「ぼっち(一人ぼっち)」「便所飯(1人で食事をするのを見られたくないためトイレで食事)」……。こうした言葉の蔓延は、現代の若者がいかにコミュニケーションを重視、あるいは過大評価しているかの傍証にほかならない。

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