【中原】ウチの大学の学生で、3年生の春に「先生、僕、内定もらいました」という人がいて。聞くと、ある会社のインターンシップに参加したら、口約束だけど「ウチの会社に来て」と言われたと。その後、しばらくして、書面を取り交わして、本当に内定をもらっていました。今後はインターンから直接採用、といった流れになるんでしょうか?
【Aさん】今はインターンと選考は別ですが、今後はやっていきたいですね。極論を言ってしまうと、大学生だけでなく、高校生から目をつけておき、関係を構築しておきたいくらいです。今、高校生はスマホのコアユーザーになりつつあります。そうなると、彼、彼女たちの使い方を知らない我々がアプリをつくっているのはおかしな話。高校生を雇用することはできませんが、将来社員候補となりそうな高校生たちが遊びに来られるような環境を用意して関係をつくっておく、といったことが重要になってきます。高校生のウチから「この会社で働きたいな」と思ってもらうためにどうするか。それくらいの思考がないと、これからの採用はダメだろうな、とは思っています。
【Bさん】大事ですね。就活を始めてからでは遅いと思います。その時点で知っている会社しか受けないですからね。
【中原】キャリア教育といえば、ひところ親向けの会社説明会が行われた、なんていうニュースもありましたが。
【Cさん】親向けの説明会はやっていませんが、親の影響力の強さは感じますね。選考の最終段階で「ウチの会社に来ますか?」と尋ねると、「親に相談する」という人もけっこう多いんです。そういう意味では親世代に向けて発信するということも考えていく必要があるのかなと思っています。
【Aさん】ウチでは、入社後に人事から親に対して挨拶するとか、そういったことはやろうかな、と考えています。ただ、地方の旧帝大の学生は難しい場合も多い。最後の最後になって、親の勧めで「やっぱり地元のインフラ系企業に行くことにしました」となったり……。北海道よりも九州でその傾向が強いように感じます。ウチでは、今年から思い切って九大での会社説明会をやめました。