面接からインターンシップへ

【中原】では具体的に、欲しい人材を採用するための募集方法や見極め方に変化はありますか?

【Bさん】当社では今まで出会えなかった層にアプローチするため、切り口を変えた複数のセミナーを用意し、出会いの場を増やすようにしました。インターンシップも複数の種類を8月から年内いっぱいまで相当数行っています。

【Aさん】インターンシップは大変ですが、一番確実ですよね。面接での選考だと、合計しても2時間ほどしか見られません。でも、インターンを1週間やれば35時間見られますから、素が良く見えてきますし、関係も良くなります。

【Cさん】同感です。弊社は同質性の高い人材が集まってしまう傾向にあるのですが、変化の激しい時代ですから、より多様性を意識した採用が求められていると感じています。そういう意味で、今まで弊社にいなかったような技術力を持った人を採用したいと、1週間から3カ月くらいまで技術系をテーマにしたインターンシッププログラムをいくつも開発し、走らせています。

【Bさん】去年あたりからインターンを経験した学生が爆発的に増えてきたように感じます。

【Cさん】3年生の夏休みには、少なくとも2、3社は絶対に行っていますよね。10社以上、インターンを経験している学生もいました。

【中原】実際にインターン生からも採用しているんですか?

【Cさん】はい、ただし直接採用するのではなく、エントリーしてもらうよう誘導するような形です。ただ、3回も面接をすると、どうしても「ウチの会社にはいないようなタイプだ」ということで面接官から無意識にふるい落とされてしまう傾向があるようです。やはり多様性を担保するには「尖った人」マークをつけて、評価基準も変えて面接してもらうようにしないといけないな、と感じています。

【Bさん】当社ではそうした「尖った人」を4つのセグメントに分け、担当する面接官も別にして見るようにしています。面接官のオリエンテーションも私がするのですが、「こういった学生さんはこんな風に見てあげてください」と、評価基準も全て別々なものを用意し、レクチャーします。

【Cさん】弊社でも今年から面接官を分けてやっていこうと思っています。ほんとうに「多様性」は今の採用のキーワードの1つになってきていますね。

【Aさん】ウチの会社の採用は7割近くがエンジニアですが、とにかく飛び抜けた人が欲しい。もしそうした人が、「正社員として働きたくない」と言うなら、業務委託でも契約社員でも、彼らが望む雇用形態や給与体系など、働き方自体を変えてしまってもいい、とすら考えています。実際、新卒社員に1500万円の年棒を出しているIT系企業もあります。そこまでしないとこの業界では勝てない。でも本当に欲しい人材、というのは採れないんです。全然。そうした人材はIT業界だけでなくメーカーさんもみんな欲しがっているからです。

【Cさん】まさにそうですね。