東日本大震災から、3年。地震、津波の被害もさることながら、その後に続いた福島第一原子力発電所の事故は多くの人の暮らしを一変させた。当時、東京電力管内では計画停電が実施され、不便な生活を強いられた人も多い。そうした経験からか、震災後は住宅の新築の際などに、太陽光発電を導入する人が増えている。

とはいえ、太陽光発電の取り付けにはまとまった初期費用がかかる。決して安い買い物ではないため、誰もが簡単に導入できるものではない。だが、長い目で見れば、太陽光発電はお得で、十分に初期投資を回収できる高利回り商品といえるのだ。

そのカギを握るのが、2012年7月に始まった「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」だ。太陽光や風力、地熱など再生可能エネルギーで発電された電気を、その地域の電力会社が一定価格で買い取ることを国が約束したもの。契約した人は、発電量に応じて10~20年間、最初に適用された価格(固定価格)で電力の販売が約束される。電力需要が少ない日でも、電力会社には火力発電所などを先に止めて、再生可能エネルギーを優先的に使うように義務付けられているので、太陽光発電の契約者は確実に収益を見込むことができるのだ。

買い取り価格は、毎年度見直されることになっており、13年度に契約した場合は、太陽光パネルの発電量に応じて次のような価格(税込み) となる。

●10kW以上/発電した電力のすべて、もしくは一部を販売でき、1kWあたり37.8円。固定買い取り期間は20年間。
●10kW未満/販売できるのは、自家消費した分を除いて余った電力。1kWあたり38円で、固定買い取り期間は10年間。

たとえば、4kWの太陽光パネルを設置した場合で試算してみよう。太陽光パネル1kWあたりの費用は40万円程度なので、4kWなら160万円の初期投資がかかる。

パネルは30年程度の耐久力はあるが、システム管理をするパワーコントローラーは10年に1回、約5万円のメンテナンス費用がかかる。