稼働率は上々だ。他店のオープン1カ月目の稼働率は45%程度だったが、秋葉原店はいきなり60%という数字を叩き出した。他店も80~95%で推移している。料金は、4.4平方メートルの「ファーストクラスキャビン」が5500~5900円、2.5平方メートルの「ビジネスクラスキャビン」が4500~4900円。3000円台のゲストハウスがあるため、利用客にバックパッカーは少ない。宿泊費は安く抑えたいが、安心安全は確保し、貧相な部屋も避けたい。確実に存在するニーズをファーストキャビンはがっちりとつかんだ。

秋葉原店ではLCCをイメージに内装を変え、従業員の制服もJALやANAの客室乗務員風から一新。カジュアルでキュートなテイストを打ち出している。店舗ごとに周辺のマップを作成し、客に配布するといった個別のサービスも強化した。「この春には博多店もオープンします。東京への出店も加速しますよ。東京五輪前の4年間でじゅうぶん収益が成り立つ計算です」と来海氏。目指すは日本を代表するホテルブランド。五輪に向けて宿泊施設不足が懸念される東京で、ファーストキャビンが果たす役割は大きそうだ。

ほかにもこんな場所、モノが人気

●カオサン東京ゲストハウス(東京、京都ほか)

相部屋が前提の格安バックパッカーズホステル。1泊あたり2000~3000円台前半がメーンで、東京、京都、福岡、別府などに店舗を持つ。

●大江戸温泉物語(東京・台場)

縁日のようなインテリア、たたみの休憩処など日本的なものが揃う。簡易宿泊施設「黒船キャビン」(男性専用)も備えている。

●サクラホテル(東京・神保町ほか)

1994年創業。池袋、浅草、幡ヶ谷にもあり、年間約110カ国の外国人観光客が宿泊する。相部屋タイプのドミトリー(3000円前後)が外国人観光客に人気。

(尾関裕士、向井 渉=撮影 PIXTA=写真 (公財)東京観光財団=写真提供)
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