サンシャイン水族館
[住所]
東京都豊島区東池袋3-1 サンシャインシティ ワールドインポートマートビル屋上
[電話]03-3989-3466
[営業]10時~20時(4月~10月)、10時~18時(11月~3月)、ともに最終入館は30分前まで
[休]なし
[料金]65歳以上1500円、高校生以上1800円、小中学生900円、幼児600円、3歳以下無料

東京・池袋の「サンシャイン水族館」といえば、都市型水族館の先駆け。その歴史は30年余になるが、2011年8月、全面改装して再スタートを切った。

新生水族館はよりエンターテインメント性がアップした。水量を以前の倍の約240トンに増やし、白砂を敷き詰めたメーン水槽「サンシャインラグーン」、日本初の「クラゲトンネル」やアシカが空を飛んでいるように見えるドーナツ形水槽など、見どころは盛りだくさん。コンセプトは「天空のオアシス」というだけあって、特に屋外エリアは南国リゾート気分を味わいながら見学できる。

とはいえ、せっかく家族で来たのなら、和むだけではもったいない。水族館は子供にとって生きた教材。特にここでは生き物との距離を近くするとともに、生態を深く学べるよう展示方法などに工夫が凝らされている。

見逃せないのは、フィーディング(給餌)タイムだ。生き物が餌を食べる様子は、自然の中に飛び込んでもそう目にできない。リアルな姿を見れば多くの発見があり、興味もさらに広がるはずだ。

実際、ラッコのフィーディングを見たときには、大食漢ぶりにあぜん。イカ、サーモン、タラ、ホッキ貝など、食べる食べる……。

「寒冷地にすむラッコは、寒さから身を守るため、多くの熱エネルギーを消費します。だから、たくさん食べる。1日に、体重に対して20~25%の量は取りますね」と話すのは、広報の宮島長清さん。

つまり、5キロのラッコなら1日1キロ。体重50キロの人間に置き換えると1日10キロだから相当な量だ。おまけに、ラッコはとてもグルメで甘エビが大好物。においがしただけでテンションが上がり、嬉しそうに水中をぐるんぐるん。食べ方も堂に入り、殻や尾は外して身だけをパクリ。ちなみに、貝はおなかにのせて石で割るのではなく、両手でワイルドにこじ開けていた。

大勢の人たちで賑わうアシカのパフォーマンスタイムは1日に数回あるので、いろいろな席から見学してみては。

一方、屋外エリアではペンギンとペリカンのフィーディングイベントが開催されている。このうち、ペリカンに水中で餌をやるのが他の水族館にはない試みだ。なるほど、その餌を取る様子は一見の価値あり。魚を投げ込むと50センチ近いくちばしを広げ、水ごとガバッと魚をすくい取る。ここで活躍するのが、10リットルもの水が入るトレードマークののど袋。そして、水上で水だけを吐き出し、残った魚を食べるのである。

他にも、メーン水槽のパフォーマンスタイムには、砂に埋めた餌をエイが探し出す芸当を披露。エイは嗅覚が発達しているため、自然界でもこのように餌を探しているそうだ。また、時間が合えばカメやイカなどが餌を食べるシーンも見られ、生き物好きの子供だったら大喜びだろう。

もちろん、餌やりだけでなく、アマゾン、東南アジアなど、世界各地の水辺の環境を、生息する生き物とともに再現しているコーナーは生態観察に絶好だし、アシカショーも360度、どの角度からも至近距離で細かい動きや表情までじっくり見ることができる。

生き物への疑問が湧いたら、館内を巡回している解説係に聞けば即解決。通えば、生き物博士になれること間違いなしだ。