円安、ビザ緩和を追い風に1000万人を突破。外国人が「期待以上」だった活動は何か。神社仏閣や富士山だけではない、最新人気スポットと誘致のための施策を紹介する。
【期待以上だった活動2位:ショッピング】
渋谷109
――客単価2倍「SHIBUYA」が世界共通語になる日
13年12月、マルキューこと渋谷109はいつにも増して華やかな熱気に包まれた。東京で開催されるミス・インターナショナル世界大会出場者約70人が109を訪れ、ショッピングを堪能したからだ。30人に聞いた事前アンケートではうち11人が「行きたい場所」に挙げた。109に憧れるセレブは彼女たちだけではない。世界的に人気の若手女性シンガー、アヴリル・ラヴィーンは来日のたびに109を訪れているという。
これらのエピソードが示すのは、1979年の誕生以来、日本の若い女性のファッションをリードし続けてきた109の役割の変化だ。日本のファッションを象徴するブランドとして109はいま海外からも熱いまなざしを向けられている。
毎年9月に来場者を対象に聞き取り調査を実施している同館では、外国人客が増え始めた08年から、外国人も調査の対象に加えた。13年の調査では外国人客100人のうち、46人が中国、台湾、香港、タイなどアジア(オセアニア含む)から、40人がドイツやフランスなどヨーロッパから、12人がアメリカやカナダからの訪日客だ。
「109はレディスファッションに特化した館。販売スタッフもファッションリーダーとして機能しています。あまり例がない存在なので、海外のメディアでも日本のファッションのランドマークとして紹介されています。アジアで販売している日本のファッション誌や、当館が講談社と組んで、毎年2回発行している『ViVi 増刊 109 BOOK』の台湾版や上海版による販促効果も大きいですね。台湾版や上海版ともに10万部出ていますから」(総支配人の中里研二氏)