ほかの客も従業員も企業も被害者
従業員にとっては、迷惑客による高圧的で理不尽な要求、迷惑行為、犯罪行為等への対応を強いられることはプレッシャーでしかなく、何をされるか分からない恐怖心と精神的な疲弊も加わり、大きなストレス要因となることは間違いない。ネガティブな影響を被るのは従業員個人だけに留まらず、他の利用客、職場環境、企業運営など広範に及んでしまうのだ。
たとえば、一部の客の迷惑行為や暴言によって「使いにくい店」となりブランドイメージが下がったり、過度なストレスにさらされた従業員が休職・退職に追い込まれたりするケースが想定される。また、解決金や弁護士相談、再発防止のための研修実施、補充人員確保など企業に追加コストがのしかかることもあるだろう。
このように、カスハラ行為に対して企業側として何の手立ても講じないままだと、物理的にも心証的にも大きな損失を被ることになってしまう。ただでさえ人手不足が叫ばれる現在においては致命的であり、カスハラ対策は喫緊の課題といえよう。
「見て見ぬふり」はもう許されない
カスハラへの「毅然とした対応」とは、単に「従業員に悪質客の対応を押し付ける」のではなく、「企業」「店舗」「経営者」が「カスハラ加害者は当店の客ではない」と宣言して従業員を守ることだと述べた。そのために、企業や店がしておくべき5つの準備については、以下の記事を参照してほしい。
※なぜ「犯罪レベルのカスハラ」が放置されてきたのか…悪質クレーマー対策で日本企業がやってこなかったこと(2024/05/29)
事業者には、カスタマーハラスメントから従業員/職員を守る義務がある。冒頭に挙げたような、働く人の尊厳を毀損する事案による被害者を出さないようにするためにも、企業や自治体はカスハラ客から働く人を守る措置を即時実施してほしい。まずは担当者の名札に本名を出さず、ニックネームにするところからでも。
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