アンコールも2回登場して、夢のようなコンサートが終了。ふと時計を見ると、もう午後10時近い。午後7時の開演から、3時間近く。この間、ポールがほとんど休憩もとらず、またステージ上では水一杯飲まなかったことに、初めて気がついた。

きっと、普段から節制、鍛錬しているのだろう。そうでなければ、あれだけ長時間のステージに耐えられるはずがない。また、「ロックンロール」という生き方も、心身を若く保つうえで、プラスの作用をもたらしているのだろう。会場を埋めた往年のファンにも、元気そうな人が多かった。

ポール・マッカートニーの姿勢には、ロックスターという存在を超えて、私たちが仕事に、そして社会に向き合ううえのかけがえのないレッスンがかいま見える。

ポールだって、来日後の忙しい日程の中で、疲れもあったに違いない。どのような楽曲を提供するかについては、迷い、さまざまな思いがあっただろう。

しかし、いったんステージに立った以上、そんなことは微塵も感じさせず、ただ、最高のパフォーマンスを提供することだけに集中する。そのような姿勢を、私たちは見習うべきではないか。

人というものは、それぞれ、事情がある。仕事に集中できないプライベートの状況がある場合もあるし、何とはなしに不調ということもある。

しかし、それらのことは、マーケットの向こうにいるお客さんには、関係ない。自身の都合にかかわらず、最高のパフォーマンスを見せるからこそ、ポールはスターである。ビジネスパーソンも、企業も、同じことだろう。

冒頭の映画にもあったように、スターでいることは、おそらくしんどい。だからこそ、歓びもある。あなたは、そしてあなたの会社には、スターとしての覚悟があるだろうか。