認知症の発症は、生活習慣の改善によって遅らせられることがわかってきた。最新の疫学研究が明らかにした、早期に手を打つべきリスク因子とは。年代ごとに見落としがちなポイントを、疫学研究の第一人者に聞いた。

心置きなく話せる相手を何人思い浮かべられるか

「ランセット」の整理では、社会的孤立は高齢期の因子とされています。65歳を過ぎてから影響が出るもの、という扱いです。

しかしながら、孤立には日頃の人間関係や生活習慣も関与すると思います。

50代はまだ仕事に身を置いている人がほとんどのため、人間関係も仕事を介したものが多くなりがちです。同僚、取引先、部下。働いている間は、彼らとの関係がいつまでも続くように錯覚しますが、定年を迎えると関係が疎遠になるのは珍しくありません。会社という足場があるうちに、会社のみではない人間関係を充実させることも大切でしょう。

(構成=本誌編集部 イラストレーション=岸 潤一 図版作成=大橋昭一)