「特定空家」「管理不全空家」にかかる税金
空き家のまま放置すると、税金が増える可能性もあります。2014年(平成26年)に「空家法」(空家等対策の推進に関する特別措置法)が制定されました。自治体はそのまま放置すると倒壊の恐れなどがあり、周囲に悪影響を及ぼす空き家を「特定空家」として、指導・勧告を行えます。さらに2023年(令和5年)には「空家法」が改正され、「特定空家」の予備軍である管理が不十分な空き家を「管理不全空家」とし、こちらも指導・勧告の対象となりました。
「特定空家」や「管理不全空家」に指定され、自治体からの助言・指導に従わないと、勧告を受けることになり、税金の軽減(住宅用地の特例)が解除されます。居住用の家の土地にかかる税金は更地などの土地代に比べて安くなっていますが、土地の固定資産税の優遇(6分の1)が解除され、実質6倍に跳ね上がります。
さらに自治体からの命令を無視した場合、最大50万円以下の過料(注1)が処されます。
たとえその家に住んでいなくても、不動産の所有者には固定資産税がかかり、地域によっては都市計画税もかかります。マンションなら管理費や修繕積立金の支払いも必要です。物件によりますが、管理費と修繕積立金の合計額は月2万~6万円程度。年間では数十万円かかるのではないでしょうか。
ちなみに私の場合、実家を空き家としていた際にかかった固定資産税や水道光熱費は、年間6万~7万円ほど。業者に頼んだ庭木の伐採と草取りについては1回あたり約15万円。移動にかかった交通費は1回往復で6万円ほどでした。
2年で40万円ほどかかりました。一時的に空き家にするならまだしも、「住む」「貸す」「売る」の選択を長引かせるほど、出費も多くなると言えるでしょう。
注1:違反者に制裁として金銭的負担を課すもの。罰金とは異なり前科にはならない。
電気と水道は「止めない」
実家じまいをすると決めても、「住む」準備をしたり、「貸す」「売る」ために入居者や購入者を待っていたりすると、一時的に空き家の期間が発生します。誰も住まなくなったら、電気・ガス・水道を止めなくてはと考えるかもしれません。しかし、電気と水道はそのままにしておきましょう。
電気と水道を解約すると、照明や掃除機などが使えなくなり、水が出ないとトイレを使えず手も洗えず掃除にも支障が出ます。家財の片付けのために足を運ぶこともあるでしょう。また、借り手や買い手が内見に来る前に、印象がよくなるようハウスクリーニングを頼むこともあると思います。
さらに、戸建ての解体作業では粉塵の飛散を防ぐために散水を行うのが一般的です。解体作業が終わるまでは水道を使える状態にしておくのが望ましいでしょう。
ガスについては火災のリスクを考えると、止めた方がいいと言えます。


