財源は曖昧にしたまま

石破茂内閣で幹事長を務めた森山裕氏は会長が交代したタイミングでインナーを退任した。森山氏は財務副大臣などを歴任し、財政規律派として知られていた。その森山氏も消費減税には強く反対している。さらに石破前首相や、河野太郎元外相、稲田朋美元防衛省、村上誠一郎前総務相などが減税に反対している。税制に詳しい税調のメンバーは減税反対が過半を占めると言われる。

もちろん消費減税反対派の背後には財務省がいる。1989年に3%の税率で導入された消費税は、1997年に5%、安倍晋三内閣時の2014年に8%に引き上げた。当初、2015年10月に10%に引き上げる予定だったが、2017年4月に延期、さらに2019年10月に再度延期され、ようやく10%(食料品は8%に据え置き)になった経緯がある。

階段状に並ぶパーセント記号付きの木製ブロックと、右肩上がりの矢印
写真=iStock.com/ThitareeSarmkasat
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「2年間と言っているが一度下げたら、現場に戻すのは至難の業だ」と財務省は危惧する。そもそも、減税を強引に決めた高市首相は財源についても曖昧にしたままで、財政規律の維持を重視する財務省や財政規律派の議員にとっては許すことができない事態になっている。

内閣支持率を回復させたい

高市首相はなぜ、消費減税に拘るのか。減税が閣議決定に漕ぎつけた背景には高市首相の強い意思がある。

2月に行った衆議院総選挙の際に公約して大勝した以上、公約を反故にするわけにはいかないというのが表立って語られる理由だが、本音は、下落気味の内閣支持率を回復させる起死回生の一打にしたいという思惑が首相周辺にあるからだとされる。

選挙公約では、「飲食料品は、2年間に限り消費税の対象としないことについて、今後『国民会議』において、財源やスケジュールの在り方など、実現に向けた検討を加速します」とあり、自民党議員の中には、「検討を加速する」なので、「実現する」とは言っていないと強弁する向きもあるが、「有言実行」を国民にアピールしたい高市首相は公約実現に拘った。首相周辺は「消費減税が決まれば、支持率は一気に回復する」と読んでいると言われる。