非正規労働者が40%、出生率は0.75

経済が著しく不均衡なため、韓国では2024年の輸出総額のじつに21パーセントをサムスン電子1社が占めていた。また、コンピューターチップだけで輸出の21パーセントを占める。製品とサービスの輸出はGDPの半分近くに相当するため、1社だけ、また一つの製品だけに大きく依存している状況は非常にリスクが高い。

韓国経済研究所が警告するとおり、どんな国であっても、競争力が突出して高いわずかな企業、わずかな製品だけがいつまでも「経済全体を動かせるだけの強力なエンジン」でありつづけることはできないのだ。

日本と同様に韓国でも、労働力の40パーセントが非正規労働者で、その賃金は正規労働者の半分程度だ。ほぼすべての労働者に最低賃金が適用されるものの、その実施には強制力があまりない。非正規労働者の平均賃金は法定最低賃金すれすれまで低く、労働者の15パーセントは最低賃金にも届かない水準で働いている。

加えて、韓国では日本以上に高齢化が急速に進んでいる。出生率はOECD諸国で最低で、一人の女性が生涯で産む子どもの数は2024年にたったの0.75人だった。人口を維持するには2.1人が必要だ。

韓国・ソウルの夜景
写真=iStock.com/Sean Pavone
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少子高齢化も不動産高騰も日本と同じ

労働年齢人口(15~64歳)の数は2017年がピークだった。2000年には、年金と社会保障制度を通じて高齢者一人を労働年齢層の10人で支えていたが、2020年には高齢者一人を支える労働年齢者は5人を下回った。2035年にはわずか2人で支えることになるだろう。

その結果、これから先20年間、一人あたりGDPが下がらないようにするためには、労働者一人あたりのGDPを30パーセント以上拡大しなければならない。

また、日本の失われた30年を招いた金融の逼迫と同じ状況を韓国も一部経験している。韓国銀行(韓国の中央銀行)が、2025年に発表した報告書「What Can Korea Learn from Japan?(韓国は日本から何を学べるか)」で詳しく述べている。

不動産価格の上昇とともに、GDPに対する民間債務の割合が大きくなり、いまや日本の1980年代バブル期のピーク時と同じ水準にまで近づいている。不動産価格が上がっているため、製造業よりも不動産業に回される融資が増えてきた。

最後になるが、韓国の輸出主導型の成長戦略は、開かれた貿易環境のなかでうまくいっていたものだ。トランプが大統領に就任すると、韓国銀行は警告を発した。「長らく韓国の経済成長の追い風になっていた国際貿易のしくみが、いまでは向かい風に変わった」