美人の誉れ高い皇后を狙った殯宮乱入

前代の敏達天皇が崩御したとき、穴穂部皇子は敏達天皇の殯宮もがりのみや(正式な埋葬まで棺を安置しておく宮殿)に乱入しようとした。

なかには皇后など、特別な人間しか入れないのに押し入ろうとしたのは『日本書紀』によれば、敏達の皇后で美人の誉れ高い炊屋姫尊かしきやひめのみことを強姦するのが目的だったという。しかし、敏達の忠臣・三輪逆みわのさかうに妨害されて、入ることができなかった。

これに腹を立てた穴穂部は、物部守屋と蘇我馬子に逆の誅伐を命じた。馬子は躊躇したが、守屋が率先して攻め立て、最後は穴穂部が自ら逆を射殺したという。これを見た馬子は「天下はまもなく乱れるだろう」と嘆いたというが、以来、蘇我系の皇族ながら穴穂部と守屋の関係は親密になった。