先駆者ドイツが中国を追う側になった
こうしてドイツで計画が停滞する中、技術移転を受けた中国は勢いに乗っている。2025年7月、北京で開かれた第17回「現代鉄道」展。その会場に時速600キロ超えをうたう最新鋭リニア・CRRC600が姿を現した。
インターナショナル・レイルウェイ・ジャーナルによると、CRRC600シリーズが投入されるのは浙江省の上海―杭州―寧波を結ぶ全長400キロの路線だ。東京―名古屋間の新幹線の距離をやや上回る。総工費141億ドル(約2兆3000億円)を投じ、2035年の完成を見込む。
反面、ドイツ国内では商業路線の確実な計画が1本もない。しかもドイツでは、新しい路線をつくるのに10年以上かかるのが通例だ。エクスパート・デジタルは、実現可能性調査から開業まで10〜15年かかると説明する。
先述のニュルンベルクなどで検討中の実証路線が突破口になる可能性はある。だが、2026年に「リニア復活」を掲げたところで、成否が明らかになるのは早くても2030年代半ばだ。さらにその先には、政治面での調整や、自治体の予算確保、技術的な課題などが控えている。
ノルトルプのソーセージ工場に置かれたトランスラピッドの先行量産車両TR09と、北京の展示ホールで披露された最新鋭車両。2つの姿は、リニアを開発した2つの国で分かれた明暗を象徴している。


