日本より先に車両を作り、時速450キロを記録

リニアの本格的な開発に着手したのは日本が先だった。日本では1962年に研究が始まったが、ドイツでは1971年に有人走行できる磁気浮上車両を公開し、同年には「トランスラピッド02」が時速164キロを記録した。日本初の実験車両「ML100」が登場したのは翌1972年である。方式は異なるものの、車両の完成ではドイツが日本に先行していた。

鉄道総合技術研究所のML100
鉄道総合技術研究所のML100(写真=ja:User:Rsa/CC-BY-SA-3.0-migrated-with-disclaimers/Wikimedia Commons)

一方、1977年に宮崎実験線が開設されたことで、実用規模の走行試験では再び日本が先行する。ドイツ版リニア計画が本格的な走行試験の段階に入ったのは、1983年。この年、ドイツ北西部エムスラントに建設された1本の高架試験線が部分開業を迎えたのが始まりだ。

磁石の力で車体をレールの上に浮かせ、摩擦なく、滑るように走る。リニア技術は当時、公共交通のなかでもとりわけ安全だと信じられていた。シーメンスやティッセンクルップが名を連ねるトランスラピッド・コンソーシアムは、この技術を世に示そうと動き出す。エムスラントの試験線は1987年までに、全長31.5キロに達した。