「検討を行う」が事実上の「断行」へ
静岡産業大学学長の小泉祐一郎さんは「地方との調整が不十分なまま方向だけ決まってしまったことに非常に問題がある」とプロセスそのものを問題視していて、これは国主導で議論が進んだことへの、地方自治の側からの割と本質的な批判です。
言い方は悪いですが、高市早苗さんがこだわり、国民有権者にお示しした消費税減税の【検討を行う】という公約が、事実上の消費税減税の【断行】という内容に刷り替わった結果、地方消費税その他の財源でなんとか生きてきた道府県・地方自治体の財源を直撃するというお粗末な流れにならざるを得ません。
そして、本来ならそういうことは、政策がわかっている人ならば誰もが予見できることなのですから、担当大臣である片山さつきさんや城内実さんは、公約実現のために走っていく高市早苗さんを羽交い絞めにしてでも現実的な政策案に着地させなければならなかったはずです。
国民に「いい顔」して詰んだ
あるいは、消費税減税は国民に対する公約の一つで、国としては国民の税負担軽減のために断行するので、地方自治体も有権者の考えを理解して地方消費税2年間消滅の減収を飲め、と説得しないといけないわけです。
しかし、その現実的な財源探しは12月までずれ込み(片山さんがそう言ってる)、財源はあると言い(城内さんがそう言ってる)、特例国債に頼らないと言い(高市さんがそう言ってる)、じゃあどうするんだという話になります。国民にいい顔をしようとして、詰んでるんじゃないですかねえ、この将棋。
年内の答え合わせのポイントは、だいたい次の順番で来ます。
9月の税制改正大綱、秋の臨時国会での法案審議。ここで財源の具体策が示されるかどうか。示されなければ、日本経済新聞が社説で書いたとおり「数の力で突き進む」ことになります。
とはいえ、どうやって数の力で進んでいくのかは、よくわかりません。火の玉になるんでしょうか。
そして本丸は、例年12月の総務相・財務相による地方財政対策折衝(令和9年〔2027年〕度分)です。ここで地方特例交付金による補填の規模がいくらになるか、臨財債をどう扱うか、そして「一般財源総額実質同水準ルール」を維持できるのか。この辺どう着地させる考えなのかは、さっぱりわかりません。「検討が始まった」と聞きましたが、何の検討をどうするつもりなのか、妙案が浮かばないですね。

