1日9時間座ると死亡リスクが上昇する

座っている時間が長いと寿命が短くなることもわかっています。前述の京都府立医科大などの研究によると、1日9時間以上座っている人は、将来明らかに死亡リスクが高くなるようです。自分の生活習慣を振り返って、座っている時間が長いのであれば、立ち上がって動くことを心がけましょう。

なぜ日本人に座りすぎが多いのか、その答えは出ていませんが、職場でのデスクワークの時間が長いからとか、家庭でのテレビ視聴時間が長いからといった生活習慣が推察されています。デスクワークで座りっぱなしの人に対して、立ち上がる時間を増やすことを推奨している企業もあるようです。

リタイアした世代では、1日の大半、テレビを観て過ごしている人が珍しくありません。座っている時間が長い人は、がんのリスクもさることながら、足腰の筋力低下が進んで、寝たきりになるリスクも高くなります。

歩く人のイラスト
家にこもりがちな人は外で歩くことを習慣にしよう(出典=『すべての病気が防げる長生き歩き』)

このような生活習慣の人が、座りすぎを解消したいと思ったら、外に出かけて歩くことを習慣にするのが一番です。長生き歩き(8000歩/速歩き20分)がベストですが、がん予防効果を期待するのであれば、1日7000歩/速歩き15分でもかまいません。

「7000歩+速歩き15分」でがん予防に

運動ががん予防に有効であることは、中之条研究をはじめ、国内外のさまざまな研究で明らかにされています。とくに中之条研究では、1日7000歩/中強度活動(速歩き)15分が、がん発症の分かれ目であると、具体的な数字に表れています。

がん予防のためにどんな運動をしたらいいの? と悩む必要はありません。1日7000歩/速歩き15分を毎日の習慣にして、まずは2カ月続けてみましょう。

中之条研究は、7000歩/中強度活動15分以上によって5つのがんが予防できることを明らかにしました。この5つのがんには、結腸がん、直腸がん、肺がん、乳がん、子宮内膜がんが含まれます。

その後、さまざまな国内外の研究の結果、予防可能ながんは2つ増え、すい臓がんと肝臓がんが加わりました。つまり、7000歩/中強度活動15分は、7つのがん予防に効果が期待できるということになります。日本人に多いがんは、肺がん、胃がん、肝臓がん、大腸がん(結腸がんと直腸がんを含む)、乳がんの5つです。

つまり、1日7000歩/中強度活動15分以上によって、5つのがんのうち4つまで予防できるということです。ちなみに、胃がんについては、ピロリ菌の感染、喫煙、塩分のとりすぎ、野菜や果物の摂取不足などが発症リスクを高めるとされています。