●金を稼ごうと思ったら、金を使わなければならない
――プラウトゥス(喜劇作家)

【本田氏】お金は、じっとしていたら増えていくものではありません。お金持ちになる人は、将来値が上がっていくものにお金を使います。たとえば、株や不動産がそうですが、それだけではありません。人とのつきあいにお金を使うと、人生を大きく変えることにつながります。お金を貯めようと思うと、つい節約志向になりがちですが、大きくお金を稼ぐには、大きく使うことです。もちろん、そのときの収支のバランスには気をつけてください。

●金を持たずに済ませることも、金を儲けるのと同じくらいの苦労と価値がある
――ジュール・ルナール(作家)

【本田氏】お金がたくさんあれば、いいのかというとそういうわけではありません。お金を持たずに、慎ましやかに生きていくという道もあるのです。自分がどう生きたいのかを考えるとき、お金とどうつきあいたいのかを考えましょう。たくさん稼いで、ダイナミックに生きる道もあれば、慎ましやかに稼いで、質素に生きる道もあります。さて、あなたが、どちらにあこがれるのか、あなたの本質はどちらなのか、考えてみましょう。

●死んだら、お金はあの世に持っていけない
――不明

【本田氏】最後になりましたが、よく言われる言葉を持ってきました。あなたが、将来お金に恵まれても、恵まれなくても、人生に終わりはやってきます。その終わりのときに、「ああ、おもしろかった」と思うのか、「ああ、節約できてお金も貯まってよかった!」と思うのか、どちらでしょう。お金とのつきあいをよく考えてください。お金を使わなさすぎたり、使いすぎたりせず、健康的な距離を保ちながら、最高の人生をつくってください。

経済評論家 森永卓郎
1957年、東京都生まれ。東京大学経済学部経済学科卒業後、日本専売公社入社。日本経済研究センター、経済企画庁総合計画局、三井情報開発総合研究所、三和総合研究所、UFJ総合研究所等への出向・入社を経て、2006年より獨協大学教授。近著に『庶民は知らないデフレの真実』。
作家 本田 健
経営コンサルティング会社、会計事務所、ベンチャーキャピタル会社など、複数の会社を経営する「お金の専門家」。著書『ユダヤ人大富豪の教え』はシリーズ200万部を超えるベストセラー。これまでの著書は累計で400万部を超える。最新刊に『読むだけで心がラクになる22の言葉』。
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