「筋肉は裏切らない」が精神的な救いに

また、筋トレには精神的な救いとなる側面もあります。

仕事で目に見える成果が出ない日であっても、筋肉は鍛えた分だけ成長するため、注いだ努力が裏切られることはありません。

実際に、汗を流す過程で嫌な出来事を忘れられたり、悩みが些細なことだと思えるようになったりする人もいます。

ただし、就寝直前にトレーニングを行う際は、限界まで負荷を高める激しい運動は控えてください。

交感神経を過剰に刺激し、スムーズな入眠を妨げる原因となります。

一流の人々が夜に実践しているのは、脈拍が少し上がる程度の穏やかなメニューです。例えば、スクワット20回と腕立て伏せ10回を2~3セット、時間にして15分ほど行います。

現代のジムで腕立て伏せトレーニングをしているハンサムな筋肉の男
写真=iStock.com/SeventyFour
※写真はイメージです

あるいは、軽いストレッチやヨガ、20分程度の散歩でも十分な効果が得られます。

こうした適度な運動には、デスクワークで凝り固まった筋肉をほぐし、1日の疲労を運動によって解消する効果があります。

体を動かすこと自体が今日という日を「完了させる」ための儀式となり、心身を健やかなリカバリーへと導いてくれるのです。

帰宅後の時間が遅い人でもできる快眠習慣

弊社が日本企業を対象に実施した、快眠を得るためのルーティンの効果検証実験を紹介します。

日本のビジネスパーソンは長時間労働が常態化しており、夜の自由時間が限られているという実情があります。

このような状況下で、海外の一流が実践する習慣を真似することができるのか。

短時間かつ最小限の行動であっても、確かな効果を得られるのかを検証しました。

弊社は、製造業やIT、金融、サービス業など20業種815社、計17万3208人に及ぶデータベースを保有しています。

今回の検証では、その中から129社428名を対象に選び、12週間にわたる実験を行いました。

なお、本検証は参加者の自己申告に基づくものであり、医学的検証や臨床試験ではないため、結果には個人差が生じます。

検証したルーティンは、大きく分けて4つあります。

①就寝1時間前にデジタル機器を手放す

スマホ、パソコン、テレビ等と接触しない時間を設けます。

②寝室にスマホを持ち込まない

スマホはリビングなどで充電します。

③寝る前の7分間に1日を振り返る

今日1日に対する感謝や達成したことをノートに書きます。

④就寝前のルーティンを繰り返す

シャワーを浴びてからストレッチを行うなど、毎日同じ動作を繰り返します。

参加者は、これら4つのルーティンのうち、自身が取り組みやすいものから開始し、12週間継続しました。

検証期間中は、週次の自己申告アンケートを通じて、睡眠の質、翌朝の疲労感、午前中の集中力、および仕事への前向きさを測定しました。

12週間が経過した結果、参加者の睡眠の質と仕事のパフォーマンスには、明確な変化が現れました。

睡眠の質が改善したと感じた参加者は全体の82%に達し、翌朝の慢性的な疲労感が軽減したと回答した人は74%にのぼりました。