家族は「関係の質」を高めて成長する

戦略的にほったらかす仕組みをつくっても、うまくいくかどうかは「深い信頼関係の有無」にかかっています。

子どもやパートナーが自分から家事に関わってくれるようになるためにも、「関係の質」を高める必要があります。

マサチューセッツ工科大学(MIT)のダニエル・キム博士が提唱した「成功循環モデル」をご存じでしょうか。これは、組織が成長し続けるためには「関係の質」→「思考の質」→「行動の質」→「結果の質」のサイクルを回すことが重要だという考え方です。

元気いっぱいの3人の子供
写真=iStock.com/MiguelMalo
※写真はイメージです

たとえば、子どもに「片付けをやってほしい」と思っているとします。

「子どもが自主的に片付けをする」は「結果」です。焦りや不安から、結果の質ばかりに目を向けてしまうと、

「声をかけても動画ばかり見ていて動いてくれない」
「目の前で自分が片づけていてもやろうとしない」

などとガミガミ言ったり、ピリピリしたりしてしまいます。結果が出ないことにイライラして、家族の関係もどんどん悪化します。

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それもそのはず。関係・思考・行動の質を無視して、「片付けしてよ!」と言っても子どもは動きません。子どもが自分から楽しく動くようになるのは、「関係の質」が育ってからだからです。

「関係の質」を高めるためには、家族が常に仲良しこよしというわけではなく、自分の意見をありのままに言い合える関係性が欠かせません。時には議論もしながら、家族には何でも言い合える、いつでも頼れると思える「心理的安全性」を高めることが重要です。

その後、前向きに物事をとらえる「思考の質」が育ち、主体的なチャレンジにつながる「行動の質」が育ちます。「関係の質」→「思考の質」→「行動の質」ができて初めて「結果の質」につながるのです。

これが自分から積極的に行動する子になるための「グッドサイクル」です。

先ほどの例で言えば、まず親子の信頼関係を築くこと。対話をし、お互いを尊重し合います。すぐに手出し・口出しをしてしまうのをグッとこらえ、子どもを信じてみましょう。

関係の質が高まると、子どもは親の様子を見て「今、自分が片付けたらよさそうだな」と気づくようになります。すると、声をかけなくても子どもが片付けを始めます。自然と「結果」である「子もが自主的に片付けをする」に向かっていくのです。

【図表】「成功循環モデル」のグッドサイクル
出典=『お手伝いで自分から楽しく学べる子になる戦略的ほったらかし教育』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

「宿題をやらない」「手伝ってくれない」といった結果にばかり目を向けてしまったのなら、まず「関係の質」から見直してみてください。