殺傷能力を持つ防衛装備品も輸出可能に
予算面での変化に加え、半世紀余りにわたって日本の防衛装備の輸出を縛ってきた規制も、撤廃された。
英国際安全保障シンクタンクの国際戦略研究所(IISS)が取りあげたように、2026年4月21日、自民・維新連立の高市内閣は防衛装備移転三原則の運用を改め、完成品の輸出を救難・輸送・警戒・監視・掃海の非殺傷5類型に限定してきた規制を撤廃した。
1967年の武器輸出三原則と1976年の政府統一見解による事実上の全面禁輸から、およそ半世紀。2014年の安倍政権による緩和を経てもなお、完成品の輸出実績は2020年のフィリピン向け警戒管制レーダー(三菱電機、約1億ドル=約163億円)にほぼ限られていた。今回の改定で、殺傷能力を持つ装備を含め、完成品の輸出が制度上可能になった。
IISSは輸出拡大について、量産効果で国内メーカーの経営を支える狙いもあると見る。かつて企業の撤退が相次いだ産業を、外需で立て直す方針だ。
導入に関心を持つ国はすでに現れており、インドネシアは中古の潜水艦や護衛艦、フィリピンは03式中距離地対空誘導弾、ニュージーランドはオーストラリアと同じ新型FFMに、それぞれ関心を寄せている。
日英伊による次期戦闘機の共同開発プログラム、グローバル戦闘航空プログラム(GCAP)の開発も進行中で、2026年度予算には1600億円超が計上された。2035年の配備を目指す。7月21日、情報にアクセスできるオブザーバー国としてカナダも参加することが発表された。
日本勢5社の武器売上は40%増
日本の防衛産業の売上は、実際に急拡大している。
スウェーデンのシンクタンクであるストックホルム国際平和研究所(SIPRI)が2025年12月に公表した『武器生産企業上位100社』(の統計によれば、上位100社に入る日本企業5社の2024年の武器売上は、前年比40%増の133億ドル(約2兆1500億円。7月22日現在のレート、1ドル163.07円で換算、以下同)に達した。上位100社全体の武器売上高も、同年に6790億ドル(約110兆円)と過去最高を更新している。
世界的にも軍事支出は伸びており、日本はこの流れを捉えた形だ。SIPRIが2026年4月に公表した別の統計『Trends in World Military Expenditure, 2025』によれば、2025年の世界の軍事支出は2兆8870億ドル(約471兆円)と過去最高を更新した。
各国が軍備の近代化と拡張を急ぐ中、欧州など国外の旺盛な需要をいち早く捉えたのが日本と韓国の企業となった。韓国勢4社の31%増(141億ドル=約2兆3000億円)に対し、日本勢は40%増とさらに高い伸びを見せている。対照的に、中国企業8社の売上は合計で10%減少。陸上装備最大手の中国北方工業集団(NORINCO)に至っては31%減と大きく落ち込んだ。

