「心の負担を増やす住まい」の特徴
まず、意外と見落とされやすいのが「ゴミ箱の少ない家」です。
ゴミ箱の数はそんなに重要なことなのか、と思われるかもしれません。しかし、毎回ゴミを捨てるために家の特定の場所まで歩いたり、ゴミをいったんどこに置いておくか考えたりするだけでも、少しずつ心に負担が積み重なります。
「ゴミはゴミ箱へ」と言われても、ゴミ箱までの5歩を歩くことすらつらい時期があります。元気な人には小さなことでも、疲れている脳にはその小さなことが大きな手間となって積み重なります。加えて、ゴミを後で捨てようと思うと、机や床に物がたまって部屋が散らかります。すると、散らかった部屋を見て余計に気力がなくなり、さらに片付けられなくなるのです。
パートナーなどの同居人がいる場合には、問題はより複雑になります。ごみを一時的に放置する人と、毎回片付ける人、という役割が固定されてしまうと、片付ける人のほうに不満がたまります。そのことで口論になると、放置する人も不満を抱き始め、結果的に双方にとってストレスになります。
ゴミ箱は、リビング、机の近く、洗面所、寝室などのゴミが出やすい場所の近くに置くと、散らかりにくくなってストレスが軽減されるでしょう。
「家事のしにくい家」が引き起こす負荷
「家事動線」が悪い家も、知らないうちに負担を増やします。
動線とは、行動の流れのことです。人は、次にやるべきことは何かをその都度考えながら動いていると、心理的負担が大きくなります。家事に限らず「どこに何があるか」「どの順番で動くか」「途中で止まっても再開しやすいか」という流れが整っていると、行動のハードルはぐっと下がります。
逆に、この動線が悪いと、たった一つの家事でも何倍も重く感じられます。たとえば、こうした環境では、家事をする際の工程が増えます。
・洗濯機は1階なのに、干す場所は2階にある
・家事に使用する道具の収納場所と使う場所が離れている
・掃除道具が取りにくい場所にある
・物の置き場が決まっておらず、毎回探さないと見つからない
そして、心身のエネルギーが落ちている時には、その小さな工程のひとつひとつが積み重なって大きなハードルになります。
片付けが難しい時は、「しまう場所を増やす」より「戻しやすくする」ことが大切です。たとえば、以下の方法を試してみましょう。
・よく使うものは「定位置」を作って出しっぱなしにしておく
・収納は見た目よりも「取り出しやすさ」を優先する
・ゴミ箱を、よくゴミを出す場所の近くに置く
・物の収納場所を細かく分類しすぎない
・一気に片付けず、1カ所だけ綺麗にする

