「3単位」チーズなら54g食べると、さらに筋力アップ
また、図表2はインターバル速歩の後30分以内に乳製品を1単位とった方々(1単位群)、3単位とった方々(3単位群)、とらなかった方々(対照群)に分けて、下肢の筋力の変化を比較した研究の結果です。1単位の量は、チーズ18gもしくはヨーグルト80gです。
出典詳細
Masuki S,et al.:Effects of milk product intake on thigh muscle strength and NFKB gene methylation during home-based interval walking training in older women: a randomized controlled study. PLOS ONE 12:e0176757,2017.を基に作成
図で示すように、5カ月後、下肢の筋力は3単位群で平均8%上昇、1単位群で平均3%上昇し、対照群では向上が見られませんでした。
この研究結果からも、本来は頭打ちになっていたインターバル速歩の効果が、乳製品をとることで底上げされていることが分かります。
インターバル速歩をすでに6カ月間継続している中高年女性にさらに5カ月間継続していただき、運動後に乳製品をとった方々ととらなかった方々の慢性炎症と血液の状態の変化についても比較しました。
図表3は図表2と同じくインターバル速歩後30分以内に乳製品を1単位とった方々(1単位群)、3単位とった方々(3単位群)、とらなかった方々(対照群)に分類して、炎症促進遺伝子の“メチル化”を比較した研究の結果です。
出典詳細
Masuki S,et al.:Effects of milk product intake on thigh muscle strength and NFKB gene methylation during home-based interval walking training in older women: a randomized controlled study. PLOS ONE 12:e0176757,2017.を基に作成
「慢性炎症」を抑える働きもある
メチル化とは、遺伝子の情報が載った塩基配列上にメチル基が結合して遺伝子の情報が読み取られにくくなり、働きが抑制されることをいいます。“遺伝子が錆さびつく”とも言い表せます。この研究では、炎症反応を促進する2つの遺伝子NFKB1とNFKB2のメチル化の程度を調べました。
5カ月後、2つの炎症促進遺伝子のメチル化(炎症反応の抑制)は3単位群で大きく増加しました。
ちなみに、対照群で脱メチル化(炎症反応の活性化)の傾向が見られるのは、参加者がすでに6カ月間インターバル速歩を行ってきて改善効果の向上が頭打ちになっていたことに加えて、5カ月間の季節変動の影響を受けたためだと思われます。
研究が行われた夏から冬にかけては、一般的に、食事量の増加や食事内容の変化によって炎症促進遺伝子の脱メチル化が進みやすくなることが分かっています。むしろ、インターバル速歩を継続していなかった場合はさらに脱メチル化が進んだ可能性もあります。
一方で、インターバル速歩の後に乳製品を多めにとった人たちは、季節変動の影響を受けることなくメチル化が増加しています。この結果により、「ややきついと感じる」強度の運動をした後の乳製品摂取には、慢性炎症反応を抑制する効果があることが明らかになりました。


