匂わせと被害者性のアピール

さて、この3億回以上表示された彼の投稿に共通するものはなんだろうか。それは「匂わせ」「被害者性のアピール」「女性へのパワハラの否定」「本当は辞めたかった」「自分にはたくさんの応援メッセージが届いている」といった要素である。

この「被害者性」「相手は若い女性」「ハラスメントの否定」「出演陣やファンや映像関係者も俺の味方」といったポイントがそろった結果、彼の熱心なファンや、またX上で正義感やミソジニー(女性嫌悪)のぶつけ先を探している第三者に対して「相手の女性俳優を攻撃してもOKだ」という免罪符のように働いてしまった。現代のソーシャルコミュニケーションにおいて警戒すべき「犬笛(ドッグホイッスル)」が吹かれた状態である。

「犬笛(ドッグホイッスル)」の恐ろしさ

佐藤二朗氏の投稿は、表向きは「繊細な俳優の内心の吐露」という無害さと苦悩を装いながら、裏では特定の支持層やネットユーザーに対して「あいつを叩いてもいい」という攻撃のシグナルとなってしまったのだ。