運用益が非課税になるNISA制度

では、株式はどのような役割を果たすのでしょうか。

株式は企業の利益に連動するため、インフレ環境では名目売上や利益の増加を通じて、株価が上昇しやすい傾向があります。これは単なる理論ではなく、実証的にも確認されています。

実際、日本でもデフレからインフレへの転換とともに、企業の価格転嫁が進み、利益率が改善し、株価が上昇しています。

ここでNISAの重要性が浮かび上がります。NISAは、株式や投資信託の運用益が非課税となる制度です。通常であれば約20%の税金がかかる利益を、そのまま受け取ることができます。これは、インフレ環境において資産形成の効率を大きく高める制度です。

とはいえ、株式投資は必ず儲かるというものではありません。その点をインフレ率ごとに整理して説明します。

インフレーションのコンセプト
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「株価上昇+賃上げ」二重のメリット

まず、インフレ率が2〜4%で安定する場合です。この環境では、企業収益は安定的に増加し、株価も長期的に上昇する可能性が高いと考えられます。

このとき、金融資産を持っている人は、最初の段階で資産価格の上昇の恩恵を受け、その後の賃上げによってさらに所得が増えるという二重のメリットを享受できます。NISAを活用した長期投資は、この環境では極めて有効な戦略となります。

次に、インフレ率が5〜9%に達する場合です。この場合、いずれ将来に金融政策の引き締めが強まり、株価の変動は大きくなります。しかし重要なのは、この局面でも最初に動くのは資産市場であるという点です。実際、2022年の米国では、インフレと利上げによって株価が一時的に下落しましたが、その後のインフレ鈍化とともに回復しました。

このような局面では、短期的な値動きに振り回されず、長期的な視点で資産を保有し続けることが重要になります。NISAは長期投資を前提とした制度であり、このような環境でも有効です。

最後に、インフレ率が10%を超える場合です。この段階では、金融市場そのものが不安定化し、株価も大きく乱高下します。トルコやアルゼンチンでは、株価が名目では上昇しても、通貨安とインフレによって実質的な価値は大きく毀損されるケースが確認されています。

このような環境では、株式であっても完全な防御にはなりません。