「文章を整えること」に生産性はない

実際、私たちが考えながら書くことに費やしている時間は全体の1割程度で、残りの9割は「迷い時間」や「単純作業」だといえる。この迷い時間は、新しい価値を生み出すための思考をしているわけではない。単に体裁を整え、必要な情報を探すための事務作業である。

私たちは「考えて書かなきゃいけないから大変だ」と感じているが、その実態は文章を書く前の準備運動、きれいに整えるための作業、どちらの表現がいいかという推敲に、貴重な人生を浪費しているだけなのだ。

成果物に直結しない「見えない時間」は、生産性のない空白の時間だとすらいえる。

ラップトップを使用して木の椅子に座るビジネスマン
写真=iStock.com/jamesteohart
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最強の秘書は丸投げにも動じない

私たちが「書くこと」に忙殺されている構造を要約すれば、以下のようになる。

・現代の仕事はタイピング労働化しており、その絶対量が圧倒的に多い
・その時間の9割は、迷いや単純作業などの非生産的な時間である
・特にイチから構成をつくるプロセスに脳のリソースを奪われている

解決の糸口は明確だ。この「迷い時間」と「構成づくり」をすべて誰かに任せることができたら、どうなるだろう。

「お世話になっております」から始まる定型的なメール作成、過去の資料からの引用探し、ゼロからの構成案づくり、失礼のない言い回しの推敲……。

こうした中身以外の面倒なプロセスを、すべて丸投げできる存在がいたとしたら――。

それこそが「生成AI」だ。

これまで、ライティングソフトは予測変換機能などを進化させてきたが、あくまで書くことの補助にすぎない。しかし、生成AIは書くことそのものを代行してくれる優秀な秘書であり、パートナーともいえる存在だ。