わかりやすい大学の個性や国の評価

④ 大学の個性を知る

大学ポートレート」も活用できる。他大学との比較はしにくいものの、個々の大学の特徴を把握することはできる。1000以上の大学、短大に関して、「入試」「進路」「キャンパス」「学部・研究科等の特色」「教育課程(カリキュラム)」「学費・奨学金等」といった情報が載っている。

多くの地方大学や小規模大学が加盟する日本私立大学協会の機関紙「教育学術新聞」は2009年から加盟大学(2026年4月1日現在で417校)の特色ある取り組みなどを紹介する特集企画「キャンパス万華鏡〜写真が語る大学の横顔〜」を掲載してきた。

「地域連携」「産学連携」「研究」「国際交流」「環境」「スポーツ」などのジャンルで、各大学の個性的なイベントや教育・研究の成果などをコンパクトに伝えている。専用のウェブサイトでは、「大学発商品編」や「学園草創期編」などの特集ページもある。

⑤ 国の評価を知る

大学を設置する際の規制緩和が進んだことを受け、文科省は2004年度、各大学が少なくとも7年に一度、必ず教育の質などのチェックを受ける認証評価制度を始めた。

メーンの機関別評価では、国が認証した機関が、教育の質や財務状況、定員充足率などを評価。それぞれの機関が定めた基準に各大学が「適合」しているか、「不適合」か、を判断して発表している。

朝日新聞「ひらく 日本の大学」取材班『崖っぷちの私立大学 偏差値で測れない価値をどう見抜くか』(朝日新書)
朝日新聞「ひらく 日本の大学」取材班『崖っぷちの私立大学 偏差値で測れない価値をどう見抜くか』(朝日新書)

機関別評価は大学基準協会や日本高等教育評価機構など5機関が実施し、それぞれが自らのサイトで評価結果を公表している。文科省のサイトで全ての機関の結果を確認することもできる。

内容が専門的で、公表資料の分量も膨大なため、大学関係者以外に知名度が低い。だが、家族などが進学を希望している大学の現状について詳細を知りたい場合には、欲しい情報を得ることができる可能性がある。

また、認証評価を受けるために、各大学は自己点検した評価の報告書をまとめている。各大学のHPで公表されているこの報告書は、各大学のほぼ全ての取り組みが網羅されている。認証結果と合わせて読むと、より理解が深まる。

2030年度開始予定の大学評価制度

中教審は現在、大学評価制度の抜本的な見直しに向けた議論を続けている。

大学全体としての質保証の確認、評価を簡素化したうえで継続する。さらに各大学の学部ごとに学生の成長や教育成果に重点を置いて評価し、最高ランクの「3つ星」から「要是正」までの4段階で結果を示す方向で進んでいる。

新しい制度での評価を始める目標に設定されているのは2030年度。受験生や保護者をはじめ、大学関係者以外にも他と比較しやすい形で公表されるようになれば、進学先や連携先の大学を選ぶ際の有効なツールとなるだろう。

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