頭のいい人ほど「やらない失敗」が多い
考えてみてください。いいアイデア、いい発想、いい計画があっても、取り組まなければ成功しませんよね? それは失敗と同じじゃないですか? 実際に行動に移す前だから失敗していないように見えるけど、何もしなかった分、ワクワクするような成功もないんじゃないかなと思います。
私からは、頭のいい人ほど「やらない失敗」が多いように見えます。だけど、仲間になったら頭のいい人たちはそれぞれの得意な分野で力を発揮して、私を助けてくれました。
役員全員に反対されたものは絶対にやるべき、というのが私の中の鉄則です。海外からの輸入や自社工場設立など、みんなに反対されながらも「やってみなければ100倍の成長はない」と突っぱねて、成功させてきました。
役員を務める人たちは頼れる常識人です。今ある成功を1割増し、2割増しにしてくれます。でもやはり、いろんな可能性を考慮しながら進もうとするので、その動きは鈍くなりやすいところがある。
その点、私は失敗した時のことではなく、うまくいってお客様が喜んでいるシーンを想像するから、思い切ったことができてしまう。後先考えず、周囲の反対も押し切る私の行動は、頑固で危なっかしいと言われているかもしれません。
でも勇気を持ってそういう動きができるからこそ、ニトリでは数々の人気商品が生まれているわけです。
「とにかくやっちゃう」が人生の良いスパイスに
この勇気を支えてくれたのが発達障害の特性なのだと思ったら、感謝です。「無理だから諦めよう」と先回りして何もしないより、思いついたらやってしまうほうがずっといい。せっかく仕事をするなら、ハラハラドキドキしたほうが楽しいじゃないですか。
「とにかくやっちゃう」。そういう勇気が、私の人生に良いスパイスを与えてくれていると感じます。
時々想像するのですが、もし自分が普通の会社に勤めて、普通の生活を送っていたら……、絶対成功しなかっただろうなあと思います。妻からも「他の人が普通にやれることはできないけど、人のやらないことをやるのがあなたね」と言われていますから。
私の好きな言葉は「短所あるを喜び、長所なきを悲しめ」です。人を喜ばせることのできる長所があれば、必ず応援してくれる仲間ができます。そうすると、あとの短所は全部消えてしまうんです。
でも考えてみると、世の中には真逆の状況がありますよね。
幼い頃の子どもたちは「あれもできたね」「これもできるようになったんだ」と1人ひとりのできることが褒められるのに、小学校、中学校に入ると世界が変わります。
急に「みんなと同じようにできないのか」と叱られるようになる。自分のペースでやっているだけで、「和を乱すな」とにらまれる。こうなってくると、発達障害がある人の「これができない、あれができない」という短所のほうばかりに目が向けられやすくなります。
すると、親御さんも他の子と比べてできないことを心配しすぎたり、我が子を守ろうと過保護になったり、時には子どもを責めてしまったりします。その気持ちもわかりますが、やっぱり私は、短所があってもそれでいいと思うのです。見守る側になった時に大事なのは、できないところに注目しないこと、周りと比べてあれこれ言ったりしないことです。
「できない」より、「できる」を見るようにしてほしいです。

