訪日外国人の5人に1人以上が中国人
昨年、日本を訪れた外国人観光客の5人に1人以上が中国人だった。
もちろん、11月以降は様相が異なる。高市早苗首相による「台湾有事は日本の存立危機事態になり得る」発言を機に、中国政府は国民に対し日本への「渡航自粛要請」を発表。昨年終盤から今年にかけての中国からの訪日数は減少している。
それでもブルームバーグによると、中国人客は騒動以前の7〜9月期のインバウンド消費全体において、約27%を占めた。滞在中に1人あたり平均約24万円を費やしており、日本の観光産業にとって最大の顧客層だったという。
中国人客が向かう先は、日本だけではない。春節など大型連休には多くの国民が国の内外へと大移動する。
新華社通信が報じた中国国家移民管理局のデータによると、2025年の春節(8連休)は中国本土住民の出入国数が延べ770万件に上った。
出国で1回、帰国で1回とカウントするため、おおよそ半分の385万人が国外へ飛んだことになる。人気の渡航先は日本、タイ、マレーシア、シンガポールで、特に日本向けの予約は前年比で倍増したという。
海外旅行はするのに、外国人の受け入れは拒絶
世界有数の海外旅行大国として各国に大挙して押し寄せる中国客。その一方で、いざ自国に外国人を迎え入れる側に回ったとき、見せたのは激しい拒絶反応だった。
観光と労働者の受け入れはたしかに性質が異なるが、SNS上に飛び交った拒絶反応を見るに、根本的にインド人への差別的反応があるようにも見受けられる。海外は好きだが外国人は嫌いという、矛盾した国民感情が浮き彫りになる。
海外には自由に出向きながら、外国人の流入は拒む。この構図は、中国で繰り返されてきた。
ディプロマットによると、2020年にも裕福な外国人や高度な技能を持つ外国人に永住権の門戸を広げる提案が持ち上がった。だがネットにはたちまち、「外国人と結婚するくらいなら万里の長城から飛び降りる」など心ない声が殺到し、提案は修正に向けて取り下げられた。
しかし、現実問題として中国人口は減少傾向にあり、外国人を拒む余裕を失いつつある。同誌が指摘するように、中国の人口は2022年を境に減少に転じた。国連推計では、今世紀半ばまでに1億人を失う。日本の総人口に迫る規模が、まるまる消える計算だ。

