AI産業は活況でも、仕事は増えない

体制派の胡錫進氏ですら無視できなくなった、若者の雇用情勢。極度に悪化しているのはなぜか。

昨年1月にAIモデル「ディープシーク(DeepSeek)」が登場すると、中国のテック産業は活気づいた。テック株は急騰。米中技術覇権争いの勢力図さえ塗り替えたかに見えた。

だが、華々しさとは裏腹に、若者の雇用危機は一向に解消されていなかった。AI産業はその規模の大きさに反し、ホワイトカラーの雇用を限定的にしか生み出すことがない。

テック産業は、少人数で高い付加価値を生む構造だ。これがかえって足枷となった。建設から販売など関連サービスの裾野が広い不動産業ほどには、雇用を生み出せずにいる。

中国・北京の自動車工場の労働者
写真=iStock.com/Chalffy
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元CNN記者でコラムニストのジュリアナ・リウ氏は、ブルームバーグに寄稿し、ディープシークによる賑わいは「かつて経済の最大32%を占めていた不動産部門の崩壊が残した空白を埋めるには、まるで足りていない」と指摘する。

リウ氏によると、今年までに研究・医療などを含む広義のテック産業は、GDPの18%超に達する見込みだ。それでも不動産業のピークだった2015〜18年の寄与率には及ばず、雇用創出の面では「はるかに影響力が乏しい」という。

中国の在留外国人はわずか0.05%

雇用不安の根深さは疑いようがない。では、その不安の対象である外国人は、実際にどれだけ中国にいるのか。

問い合わせベースで見れば、確かに関心は高まってはいる。移民コンサルティング企業ニューランド・チェイスの移民担当ディレクター、エドワード・フー氏はアルジャジーラに対し、2025年8月以降、Kビザの問い合わせが30%超増えたと明かした。インドや東南アジア、欧州、アメリカと、関心は世界各地から寄せられているという。

だが、現実はSNSで騒がれるほどの「殺到」とはほど遠い。ディプロマットによると、2023年に発行された外国人居留許可証は71万1000件。中国の全人口のわずか0.05%にすぎない。

例えるならば、中国人約2000人で住んでいる町があるとして、そこに1人の外国人がやってくるに過ぎない比率だ。在留外国人が総人口の約3%を占める日本と比べても、桁違いに少ない。

中国国営メディアの報道でも、2004〜2020年の16年間で永住権を得た外国人はわずか2万人。年平均にすればおよそ1250人に留まる。人口14億人の国での数字だ。

さらには、仮に入国できても壁は厚い。インドからの英語話者など中国語以外の話者は、職場に容易には適応できない。「9-9-6」(朝9時〜夜9時・週6日勤務)と呼ばれる過酷な労働文化もあり、外国人はなおさら敬遠する。

コンサルタント会社ジオポリティカル・ストラテジーの主席ストラテジスト、マイケル・フェラー氏はアルジャジーラに、「多くの中国企業で知られる9-9-6というワークライフバランスに関心を持つ外国人卒業生など、想像もできない」と語った。