成績が優秀な子ほど、早生まれに泣く

具体的には、下位10%付近、まんなか(50%付近)、上位10%付近という3つの層で、4月生まれと3月生まれにどのくらい差があるのかを調べました。平均では見落とされがちな違いを拾えるのが、この方法の強みです。

山口慎太郎『「早生まれ」は損なのか』(中公新書ラクレ)
山口慎太郎『「早生まれ」は損なのか』(中公新書ラクレ)

小学生の算数では、下位10%付近での差が偏差値にしておよそ2.7ポイント、まんなかで2.6ポイント、上位10%付近で3.5ポイントでした。つまり、下位でもまんなかでも差ははっきりありますが、むしろ上位の子どもたちのほうでやや大きめに出ている、という結果でした。

中学生になると全体に差は小さくなりますが、やはり層ごとの差は残ります。下位%付近で約1.5ポイント、まんなかで1.6ポイント、上位10%付近で2.0ポイントでした。ここでもわずかに上位で大きめという傾向が見られますが、その違いは極端に大きいわけではありません。

この分析からわかるのは、生まれ月の影響が特定の条件のもとでだけ現れるわけではないということです。家庭環境が豊かかどうかにかかわらず、また男女の違いによらず、そして成績の上位層でも下位層でも、同じように生まれ月の影響は見られました。

成績が良い子どもでも、もし早生まれであれば、本来はもっと高い力を発揮できていた可能性がありますし、勉強が苦手な子どもにとっては、その難しさに生まれ月の不利が重なっていることがあります。つまり、この影響は子どもたちの一部に限られるのではなく、学年全体に広く及んでいるのです。

100点満点の解答用紙
写真=iStock.com/takasuu
※写真はイメージです
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