学校は復帰のハードルが異常に高い
やんばる先生:悩んでまったく動けなくなる子もいれば、心にフタをして「学校なんか行かなくてよくね?」って開き直る子もいる。ジュンの弟さんは後者かな。どちらの場合でも、急に登校できるようにはならないから、もし家族だけで難しかったら、外部の力を借りることも必要だと思う。
ジュン:外部? たとえばどんなところですか?
やんばる先生:公的機関の無料相談窓口やカウンセラーなど、専門機関だね。なぜなら、不登校の理由はケースバイケースすぎて、家族だけでは捉えきれないから。たとえば、不登校の子には発達障害のあるケースも多い。
本人も、なぜ行けないのかわからない、行きたくない理由もわからないときに、専門家から意見をもらうことで解決策が見えてくることがある。
そもそも、40人もの同年代を集めて、授業を長時間受けさせる学校という場所自体、ある種の「いびつな場所」なんだよ。だからそこに合わない人間がいるのは、ごく自然なこと。
「発達障害」って、「障害」という言葉がついちゃっているけどそれは“欠陥”ではなくて、たまたま「ある傾向がある人」が「ある傾向の場所」に合わないというだけ。客観的な視点からそれがわかれば、どうすれば本人が生きやすいのか、ベストな教育を受けられるのかが見えてくるんじゃないかな。
発達障害は0か1ではない
ジュン:たしかに、家族だけだとドツボにハマっちゃうことはありそうですね。
やんばる先生:家族っていろいろな要因がからむから、フラットに見てあげることが意外と難しい。親御さんは、愛情と責任感ゆえに、「なんでうちの子はこうなんだろう……」って最初から否定的に見てしまうこともある。
でも「否定」という色眼鏡をかけて見ていたら現実を正しく捉えられない。専門家は、そういうこり固まったメガネをはずしてフラットに見てくれる。先入観なく分析してくれるプロだと思うよ。
ジュン:うちの弟、充電したらそのうち学校に行くようになるだろうって思ってたんですけど、そういう理由が隠れている場合もあるんですね。
やんばる先生:みんながみんなそうではないけどね。ちなみに発達障害って、今は「障害がある/ない」ではなく、「そういう傾向が強い/弱い」っていう、「スペクトラム」という考え方が広まってきてる。0か1かじゃないってことだね。
口で言ってもわからない子が、図で見せたら速攻でわかるんだったら、「言語情報より視覚情報に強いという特性がある」とわかる。特性を理解すれば、見当違いな努力を強要したり、叱ったりすることは避けられるよね。

