ライブの熱量を共有
狙いはもう一つあった。コンテンツをひたすら朝まで熱く語る。こういうコンテンツに対する想いを可視化することで「WOWOWの人間は本当に映画が好きなんだな」という配信者側の想いが伝わることも期待しているという。
製作者の想い、ファンの想い、配信に関わる人間の想い、様々な想いを交差させることができるSNSでファンとの関わりを強め「WOWOWを選択してもらう理由」を持ってもらう。そのためにこれらの施策は重要なのだと語った。
同社の収益源は映画放送だが、新規加入者の獲得ではサマーソニックや有名アーティストのライブなどの音楽イベントが牽引しているという。このアーティストを取り巻く環境も変化してきていると指摘した。音楽雑誌の休刊が相次いでおり、アーティストとファンを繋ぐチャネルとしてSNSやライブイベントの重要性が高まっているというのだ。
そこでWOWOWでも音楽フェスはキラーコンテンツとして見直されるようになり、多くのアーティストが集うサマーソニックを重要なイベントと捉えるようになった。2013年はTwitter TrackerとTwitter mirrorを使い、サマーソニックのイベント力を増幅させることを考えた。
Twitter Trackerはイベント会場の熱気を可視化するツール。特定のハッシュタグが付けられた呟きから、今一番呟かれているものが大きく表示される。これにより、その瞬間に盛り上がっている最新の話題を会場にいる人はもちろん、会場の外にいる人でも簡単にチェック、共有することができる。
Twitter mirrorはTwitterとタブレットのカメラを連動させるアプリ。誰でも簡単に写真付き投稿を行うことができる。これを使って出演者や来場者をTwitter上に伝播させることで文字だけではない盛り上がりを伝えることに成功した。
これら施策が功を奏し、WOWOWがサマーソニック用に開設した特別サイトへの訪問者数は前年度比で195%アップするなど大幅な流入増を記録した。