簡単さを損なわず、有用性が向上

前述した通り、Twitterは140文字という制限の中で発言するシステムだ。これにより誰でも使いこなすことができる。操作がシンプルであることを考えると今後もユーザ数が増える余地は十分にある。一方でマーケティング利用の面では文字だけではない、リッチコンテンツの配信も可能にした。Twitterはテキストを配信するシステムから、ストーリを伝えるためのキャンパスへと成長していた。

誰でも利用できる手軽さを損なわず、多機能を必要とする人向けには有用な機能を追加することで「収益力」があることもアピールした。新たな社会基盤として、より重要性が増すことを期待させるイベントだった。

ここで、ビッグデータの解析に用いられている技術について補足しておこう。Twitterに流れる呟きから、特定の単語を抽出し頻出度を計測し、今何が多く呟かれているか、また製品に対してどのような感情が抱かれているかを知るための要素技術に手段として、テキストマイニングという技術が用いられる。

マイニングとは「発掘する」という意味であり、対象となるデータ群から価値ある情報を発掘することだ。元々はデータマイニングが主流であった。コンピュータの技術が発達したことと、近年Twitterやブログといったテキストを対象としたマイニングが急速に重要になってきたことからテキストマイニングが注目を集めだした。

Twitterをマーケティングに利用するツールの多くはこの技術が利用可能である。Twitterで利用する場合の注意点を幾つか明記したい。

1)商材によっては呟かれていない

日常的に「当たり前」となっている商材などは、そもそも呟かれない。たとえば石鹸や歯磨き粉などのトレイタリー商材を利用する度に「歯磨きなう」と呟くユーザはほとんどいないだろう。このようにそもそも呟かれないたぐいの商材が存在するため、適していない商材を経験知として認識し、知識を蓄積していくことは有用だろう。

2)呟かれすぎる商材がある

反対に一部の熱狂的なファンによって呟かれすぎる商材も存在する。一見すると嬉しい悲鳴のように聞こえるが、コアな一部のファンの声が拡大されることは、マーケティング戦略立案上のノイズとなることもある。

たとえば、2012年のiPhone5発表時、auはテザリングを提供しソフトバンクはしないということで、au有利との噂がネットを駆け巡った。その後ソフトバンクはテザリング対応を発表、そのためにイー・アクセスを買収する荒業を見せた。この時、経営判断の一部にTwitterや他のSNS上のテザリングに関する声の大きさも考慮に入れられていたという。

しかし、その一年後にマイナビニュースによって行われた調査(http://news.mynavi.jp/articles/2013/10/09/keitai_enquete1/)では、テザリングを利用している人はわずか1割に留まり、約半数が必要性を感じていないと回答した。

熱狂的なファンほど思い入れがあり、多く呟く。しかし、その声は大多数の利用者の声を反映したものではないかもしれない。一部のファンの声が拡大されているのか、全体の意向と捉えてよいのか。ネット上の空気を読む力がマーケターには求められている。