中学受験は、高校受験、大学受験と比べて最も費用がかかる。それだけに、どうしても無視できないのがコストパフォーマンスだ。4年生からは通わせないという考えはどうだろうか。中学受験専門の個別指導教室SS‐1代表の小川大介氏はこう言う。
「大手進学塾の場合は小4か、遅くとも小5から行くべきです。中学受験は、高校・大学受験とは2つの点で違います。まず、学校で習っていない内容を学ぶ必要があること、そしてまだメンタルが不安定な小学生が受験するということ。そのため、4年生から徐々に受験につながっていくきっかけを探し、5年生で入試に必要な知識を一通り覚えます。そして、6年生は、その知識で問題を解くトレーニングをする。そうした段階が必要なのです。いきなり小6から始めると、これらの段階を1年間でやることになり、補習のための講習や個別指導塾、家庭教師などに頼ることとなり、結果的に高くつきます」
最近では、塾通いの低学年化が進んでいて、ほとんどの塾が1~3年生向けのコースを設定している。こちらはどうだろうか。
「低学年向けのコースは、入試問題を先取り学習させるわけではなく、勉強に興味を持たせたり習慣づけをさせたりする内容。親の側も、この時期は、子供の成績や順位に一喜一憂しないことが大切です。勉強する習慣が身につけばOKとしましょう」(森上氏)
授業料も月額1万~2万円と手軽だ。受験への土台をつくるため必要な場合は通えばよいということのようだ。
では、小4から3年間通わせるとして、節約できるところはないのか。
「節約するとしたら、選択講座と季節講習でしょう」というのは35年にわたり私立中学の受験指導をしてきた名門指導会代表の西村則康氏。塾選びのアドバイスをする「塾ソムリエ」としても知られる。
「開成、桜蔭といった単独校の名前がついた志望校別特訓は出題傾向を学べるので参加したほうがいいでしょう。それ以外の講座、具体的には、弱点補強講座や有名私立中コースといった特訓は必要がない場合が多い」(西村氏)
ただ、オプション講座とはいえ、塾のカリキュラムの一部として組み込まれているので、断りにくい実態もある。
前出の石田氏も「クラスのほかの子が行くというのにわが子だけ行かせないというのは難しいかもしれません。『みんなと一緒がいい』というタイプでない芯の強い子なら、小4、小5の季節講習も休んでも大丈夫。これで15万円程度は節約できます」という。