海外客に頼らざるを得ない地方リゾート
とはいえ、外国人を締め出せば問題が解決するわけではない。地方のリゾートは長年の経緯を経て、外国資本に頼らざるを得ない状態になっている。
バブル景気にわいた1980年代には各地のリゾートへの投資が殺到し、1990年代初頭にはスキーが国民的レジャーとして全盛期を迎えた。だが、バブル崩壊で一変。スキー人口は急減し、過剰な施設を持て余した地方リゾートは衰退した。
少子高齢化と人口流出にも追い打ちをかけられ、地域経済を自力で回す体力は、もはや残っていない。
約20年にわたり日本を訪れ、スノーボード旅行を続けてきたというカナダ人のハービー・グリック氏は、CNBCの取材に、「この20年間で信じられないほどの変化を目の当たりにしてきた」と振り返る。
実際、本州や北海道の地方部には、廃業したスキーリゾートや、かろうじて存続しているだけの施設が少なくない。外国人観光客の恩恵が及ばないスキー場ほど、生き残りの道は険しい。
外国人旅行者は日本の貴重な収入源
国内のスキー人口が縮小を続けるなか、業界は「国内客より消費額が多い」外国人スキーヤーを収益の柱に据える方向へ舵を切った。
グリック氏は海外勢の狙いを、「日本というラグジュアリーブランドを作り上げようとしているのではないか。スイスのような感じだ」とみる。
この路線の旗手がニセコと白馬だ。いずれも英語対応スタッフを擁する高級リゾートが軒を連ね、外国人観光客の口コミでも高い評価を得ている。
こうした業界の転換を後押ししているのが、インバウンド観光を成長の柱とする、他ならぬ政府自身の方針だ。
CNNも取りあげているように、2025年の訪日外国人旅行者数は4260万人に達し、観光業は年間9.5兆円規模の日本第2の輸出産業に成長した。
政府が掲げる2030年の誘致目標は、年間6000万人。日本は外国人旅行者への依存を意図的に深めている。

