軍事、金融、保険市場が連携できず
そう言える根拠が、ホルムズ危機におけるイギリス保険組合ロイズの態度である。紛争が起きている時であってもタンカーへの保険を担保することで海洋秩序を保ってきたロイズが、今回のホルムズ危機においては、実質的にその一部を拒否したのである。
ロイズは1つの保険会社ではなく、ロンドンを中心とする保険市場である「ロイズ市場協会」のことを指している。ホルムズ危機をめぐって、ロイズは「戦争保険はなお利用可能であり、通航減少の主因は保険の欠如ではなく安全上の懸念だ」と説明している。
しかしながら、戦争リスク保険料は急騰し、通航条件は厳格化しており、保険市場は「この海は安全に通れる」とは判断しなかったのである。海軍が航路の安全を十分に保証できないとき、保険市場はリスクを引き受けるのではなく、価格に転嫁する。
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