「睡眠時間を削ってでも成功したい」は危険
一般的に、成人には1日6時間以上の睡眠が推奨されます。10時間眠らないとパフォーマンスが維持できない人も多くいます。一方で、6時間未満の睡眠でも日常生活に支障をきたさない人が存在します。
こうした人々は「ショートスリーパー」と呼ばれます。
これは努力してなれるものではありません。あくまで先天的な体質による個体差です。
優劣の問題ではなく、「そういう生物」であるとしか言いようがないのです。
精神科の立場からは、「翌日に強い眠気が残らなければ睡眠時間は必ずしも問題ではない」と言いたいのですが、長期的な影響を考えると、やはり無理な短時間睡眠は推奨できません。
生来のショートスリーパーは、睡眠中に脳や体の回復に必要なプロセスを、短時間で効率よく完了しているのではないかと考えられています。
しかし、なぜそれが可能なのか、仕組みはわかっていません。疲労が溜まりにくい体質なのか、それとも脳の回復スピードが速いのか。やはり、それぞれの個体差である、としかいいようがないのです。
ということは「睡眠時間を削ってでも成功したい」といった考え方は非常に危険であることがわかってもらえるでしょう。ショートスリーパーになる方法などを示しているサイトなどもありますが、努力して目指せるものではありません。
むしろ自分に合った睡眠時間を知り、その中でパフォーマンスを最大化することが最も重要なのです。
翌日に眠気を残さない睡眠が大事。
寝ても疲れが抜けない人が陥っていること
「しっかり寝ているのに疲れが抜けない」という場合は、睡眠時間を増やせば回復できると考えがちですが、多くの場合睡眠の「質」が関係しています。質の悪い睡眠は量で補えません。
週末に寝溜めをしても、平日の睡眠不足を完全にリセットすることはできず、むしろ生活リズムを崩してしまうこともあります。短期的な疲労回復には役立つ場合もありますが、根本的な解決にはなりません。
睡眠中は体も脳も休息を取る時間ですが、その準備は「寝る前」に始まっています。
寝る直前にスマホを見る、強い光を浴びる、カフェインを遅い時間に摂取するなどの行為は、睡眠の質を著しく下げます。特にカフェインは体内での半減期が長く、午後に飲んだコーヒーが夜の睡眠に影響することがあります。
そもそも、長時間睡眠も必ずしも良い結果をもたらしません。9時間以上の睡眠を日常的に取ると、心疾患や脳血管障害などのリスクが上昇するという研究もあります。重要なのは、量を追い求めるよりも、一定のリズムを維持することです。
睡眠中は体が自動で回復するわけではありません。日中の過ごし方も大きく影響します。
また、運動不足、過度のストレス、アルコール摂取は睡眠の質を下げます。
まずは睡眠そのものだけでなく、日中の生活習慣を見直してみてください。例えば軽いストレッチや入浴で体温を一度上げると、入眠しやすく深い睡眠が得やすくなるでしょう。
午後のコーヒーや寝る前のスマホは、
あなたの睡眠をじわじわ壊している。

