同じ食事でも太る人、太らない人の差

私たちを悩ます肥満。そして太っている方の多くのケースにおいて、自律神経全体のバランスの悪さが見受けられます。そもそもじつは、同じものを食べ、同じ運動をしても、太りやすい体質の人と太りにくい体質の人がいます。

脂肪細胞は飢餓状態に備えて、エネルギーを脂肪としてため込む性質を持っています。摂取した過剰な脂肪を際限なくため込み、どんどん肥大化していくのが肥満のメカニズムです。

太りやすさの個人差の謎を解いたのが、当時、東京農工大学に勤めていた木村郁夫きむらいくお特任准教授(現・京都大学大学院生命科学研究科教授)でした。腸のなかに生息する細菌のうちのいくつかは、食べ物を分解して「短鎖脂肪酸たんさしぼうさん」という物質を作ります。短鎖脂肪酸は、血液を通して全身に送られ、やがて脂肪細胞にも届きますが、脂肪細胞はこの短鎖脂肪酸を感知するとある反応を示します。