世界のインフラが老朽化
インフラ整備の需要が高まっている理由は3つある。そのうちの1つはインフラが老朽化していることだ。
国内のインフラ設備の多くは1955年から1973年の高度経済成長期に整備されたため老朽化が進んでいる。コンクリート製の構造物は50年過ぎると脆くなる。最近は道路の陥没や水道管破裂などのニュースを聞くことが多い。このまま何もしなければ、道路、鉄道、橋、空港、港、通信施設などで事故が多発するだろう。
海外に目を向けると事態はより深刻だ。
米国では1930年代にニューディール政策によって整備されたインフラが老朽化している。特に橋の老朽化は深刻であり、2007 年 8 月に米国ミネソタ州で死者13人、負傷者145人という橋の崩落事故が起きた。現在、米国全体で60万以上の橋があるが、そのうち4万以上の橋が危険な状態にあるという。
橋に限らずアメリカでは道路、水道、建物などで老朽化による事故が相次いでいる。
そして、欧州の状況はもっと深刻だ。
英国の場合、米国よりもさらに古く19世紀後半のヴィクトリア朝時代に整備された上下水道、道路、鉄道などの一部が現在も使用されている。当時整備された水道管は老朽化が進み、漏水や破裂事故が多発している。
老朽化したインフラの補修や建て替えの需要は世界中で膨大であり、関連企業はビジネスチャンスに恵まれている。
巨大地震の脅威
2つめの理由は巨大地震が起きる可能性が高いこと。政府の発表によると、「首都直下地震」が起きる可能性は今後30年間で70%。もし起きれば1万8000人が亡くなり、経済損失は83兆円にのぼる。
「南海トラフ巨大地震」の発生確率は今後30年間で60%~90%以上。死亡者は29万8000人で経済損失は292兆円となる見込みだ。
甚大な被害が予想されているため、政府も手をこまねいているわけではない。国土強靭化計画に基づいてインフラ整備を推進している。

