「脱中国依存」の現実的な進め方
かといって、中国が崩壊してしまっても困ります。自暴自棄になって無謀な行動に走らせないようにするために、日中間のバランスを保つことが大事です。「中国サプライチェーンの切り離しが急務」という声も高まっていますが、そう簡単には実現できないでしょう。
将来的にはそれが不可欠ですが、いきなり分断するのは難しいのが現実です。ただ、基幹産業のサプライチェーンや特定重要物資を握られてしまうと、日本は息の根を止められてしまいかねません。そのような分野にはある程度コストを度外視してでも、日本国内で開発・生産を模索しなければなりません。そのような分野こそ官民連携が必要です。
これまでのような「サプライチェーンを世界に張りめぐらせば張りめぐらせるほど、一番安いところで製造ができ、競争力もつき成長できる」というビジネスモデルは、完全に崩壊しています。
今はサプライチェーンを広げれば広げるほど、地政学上のリスクに晒されます。たとえば、米中対立が激化したら、たちまち分断されてしまいます。実際、高市首相の「存立危機事態発言」以来、中国が態度を硬化させているのはご存じの通りです。
中国が日本を脅すほどかえって好都合
今後がどうなるかはまだ不明ですが、ある程度コストをかけてでも「サプライチェーンの強靭化」という潮流に向かっているのは間違いありません。効率化一辺倒では今後はとても立ち行かないのです。とはいえ、すべて日本で生産するとなったら、コストが膨大になります。
やはり上手なさじ加減で調整しながらやっていくしかない。たとえば、医薬品などの分野は中国頼みですが、脱却しなければなりません。中国の態度硬化は、短期的には中国からの観光客減少による経済効果への影響が避けられません。インバウンドが主力の観光業者には大打撃でしょう。
そのようなネガティブな部分は無視できませんが、反面、それが危機意識となり、中国以外の観光客の誘致や、日本のレアアース投資を加速させる要因になります。南鳥島のレアアース開発は、通常なら30年、40年かかるプロジェクトですが、さらに加速化していこうという気運が高まりました。中国依存を軽減していく政策の優先順位がグンと上がってきたのです。
中国が日本を脅せば脅すほど、ある意味で日本の経済成長の後押しになってくれるかもしれません。

