「したくない」では現状維持が限界

(3)目標が否定形

意外と多いのが「否定形の目標」です。

「貧乏にはなりたくない」
「部下に嫌われるような上司にはなりたくない」

こうした言葉は、“何をしたいのか”ではなく、“何を避けたいか”を示しています。

しかし、「避けたい」という思考だけでは、現状維持が精一杯です。

「お金持ちになりたいわけではない。貧乏にさえならなければいい」という発想では、意外と年収は上がらず、将来の不安も消えないものです。

もし「貧乏になりたくない」のであれば、「10年後、年収700万円にアップする」という肯定形の目標を立てましょう。そうすれば、「そのために何をするのか(転職か、昇進か、副業か)」という具体的な行動が浮かび上がります。

【図表4】ダメな目標の3パターン

“Why”と“What”を取り違えてはいけない

ある30代の女性マネジャーが、ため息をつきながらこう言いました。

「健康的な体を手に入れたいんです」

たしかに素敵な言葉です。しかし、もう少し具体的にどうしたいのかを尋ねると、急に言葉に詰まってしまいました。

これは、多くの人が陥る典型的なケースです。

「健康的な体を手に入れる」というのは、一見すると“目標”のようですが、実は“目的”です。

では、目的と目標の違いとは何でしょうか?

わかりやすくするためのキーワードは、「なぜ?」と「何を?」です。

目的(Why)=「なぜ、それをするのか?」
目標(What)=「何を、どこまでやるのか?」

目的は抽象的で、広い意味を持つものです。

たとえば「健康的な体になる」「信頼されるリーダーになる」「お客様に喜ばれる存在になる」などが目的にあたります。

横山信弘 『正しく立てて成果につなげる 目標達成の全スキル』(日本実業出版社)

一方、目標は具体的で、計測できるものです。

「3カ月で5キロ痩せる」「2年後、課長になる」「年間売上2億円を達成する」といったハッキリしたもの。

これを山登りでたとえてみましょう。

「目的」は、「あの美しい山に登って朝日を見ること」。

「目標」は、「午後3時までに八ヶ岳連峰の最高峰、赤岳の山頂へ到着すること」。

こう考えるとハッキリします。