努力しているのに成長できない理由
先日、印象的な相談がありました。20代後半の会社員Aさんは、毎年のように「成長したい」と言い続けています。
「今年こそは、もっと成長して、会社で活躍できる人材になりたいんです!」
と同僚たちに宣言していました。その意欲は本当に素晴らしいことです。週末にセミナーへ通い、独自の「成長シート(マインドマップ)」も作成して運用しています。なかなかここまで前向きに取り組める人はいません。しかし、私は昨年も、一昨年も、その前の年も、同じ言葉をAさんの口から聞いています。
Aさんに尋ねました。
「こんなに努力しているのに、なぜ達成できていないと思いますか?」
すると、彼はこう答えました。
「毎年いろいろとがんばっているつもりなのですが、なかなか期待通りの成果が出ていません。読書もしていますし、異業種交流会にも参加して人脈を広げています。でも、自分でも“成長した”という実感が持てないのです」
たしかにAさんの意識は高く、行動スピードも速い人です。それなのに、期待した成果にはつながっていないようです。さらに私は尋ねました。
「ところで、あなたの“目標”は何ですか? 成長することは“目標”ではなく、“目的”ですよね?」
Aさんは、ハッとした表情を見せました。
この瞬間、Aさんは目標達成できない本質的な理由に気づいたのです。すなわち、「目的」と「目標」を混同してしまっている。その違いを正しく理解できていないことが、多くの人の目標達成を阻んでいる根本的な問題です。
まずは、この「目的」「目標」、さらには「指標」の違いを明確にしていきます。ここを整理することが、目標達成の第一歩です。
「測れない目標」は振り返れない
目標が達成できないもう一つの理由は、「測れない」ことにあります。
・活躍する
・もっとがんばる
これらはすべて、方向性としては正しい。しかし、達成したかどうかを判定できません。
・誰が見ても「活躍している」と言える基準は何か?
・いつまでに、何を達成すればいいのか?
ここが曖昧なままでは、振り返りも改善もできません。振り返れないものは、成長しないのです。
目標とは、「未来の理想像」ではなく「検証可能な仮説」です。
たとえば、「営業として成長したい」ではなく、「3か月以内に新規契約を月3件獲得する」
ここまで具体化して、はじめて達成か未達かが判断できます。そして、未達であれば改善策を考えられるのです。
測れない目標は、努力を感覚の世界に閉じ込めます。測れる目標は、努力を進化させます。

