「甘いものは別腹」は本能の暴走か

糖質制限で満腹になるまで食べていても、身動きのとりやすい体重(20歳頃の体重)におのずと収斂しゅうれんしていくことも、この果糖生存危機仮説の亜型(反応が弱いタイプ):糖質生存危機仮説として考えれば理解しやすいかもしれません。

ということで、果糖がもたらす「甘いものは別腹」は、からだが生き延びようとする本能の暴走だったのです。

野菜にもかなりの糖質が含まれる

最近では甘い野菜が増えています。野菜についても考えておきましょう。

厚生労働省では、1日350g以上の野菜摂取を推奨しています[健康日本21(第三次)]。1食あたりにすると約120gです。日本人の野菜摂取量は1日260gほどですから、1食30gほどの増量が求められます[令和6年国民健康・栄養調査]。

(糖質摂取を減らし適正な量だけ食べる)「ロカボ」の基準では、1食あたりの糖質量の目安は20〜40g。上限の40gを食べるとすると、半分の20gをご飯などの主食、残りの20gを野菜などから摂ることになります。

野菜120gに含まれる糖質量は、どのような野菜を摂るかで大きな幅があります。

糖質量の多い根菜や甘いフルーツトマトなどを控えて野菜を1食120g摂ったとして、おそらく糖質量としては10~20g程度でしょう。果糖の割合はさらにその半分くらい(つまり5~10g前後)でしょうから、果糖8gまでというジョンソン教授の基準をギリギリ満たすくらいで済みます。

トマト
写真=iStock.com/SolStock
※写真はイメージです

小腸でエネルギー源として消費されるため、野菜の果糖による脂肪肝、糖質老化の心配はいらないと考えてよいでしょう。

推奨基準は「果物は1日に200g」

野菜と同じように、果物の摂取量についても、厚生労働省では基準を設けていて、目安は「1日200g」とされます[健康日本21(第三次)]。

日本人の1日の果物の摂取量は約80gと報告されているそうですから、厚生労働省の基準をクリアするには摂取量を現在の2倍以上に増やすことが求められます。

しかし私は、無理して摂取量を2.5倍に増やす必要はないと考えています。なぜなら、この「200g」という根拠はコホート研究、つまり観察研究だけに基づいたものだからです。