この学び方で間違っていないだろうか──誰もが1度は迷うはずだ。「稼ぐ人」はいったいどのように勉強しているのか。1000人アンケートの結果を交えながら、第一線で活躍する一流のプロたちの学びのコツを紹介する。
経済のグローバル化が進み、英語はビジネスパーソンに必須のスキルといわれるようになった。一方で、過熱する英語ブームを冷ややかに眺める向きもある。いったい英語はどこまで学べばいいのだろうか。
勤務先で英語が公用語化される可能性を問うと、年収1500万円台では20.4%の人が「可能性あり」と回答。500万円台の3.3%と比べると、かなり温度差がある(図1)。
人事戦略コンサルタントの高城幸司氏は、「英語を公用語化する会社は一部にとどまる」という見方を示す。
「ドメスティックな産業でも、外資系企業に買収されて役員会は英語という可能性は十分にありえます。ただ、現場レベルは日本語で事足ります。あるメーカーの工場ではラインの半分をアジア各地からきた人たちが担当していましたが、コミュニケーションは日本語でした。これから職場に外国人が増えても、日本の現場は日本語で動く可能性が高い。そう考えると、全社的に英語を導入する会社はそれほど多くないはずです」
現状はどうか。たしかにビジネスレベル以上の英語力を持つ人は、1500万円台でも23.7%にすぎない(図2)。この層でも大部分の人が自分の英語力は仕事で役に立たないと感じているようで、英語学習の目的を聞いたところ、1500万円台は「仕事で必要だから」という回答がもっとも多かった(図3)。
「たとえ仕事で英語を使うのはエグゼクティブだけでも、現場も外国から来たお客さんを浅草に案内できる程度は話せたほうがいい」という高城氏。対して、資産運用コンサルタントの逢坂ユリ氏は「現場もビジネスレベルまでは英語力を磨くべき」と説く。
「中国やシンガポール、マレーシアあたりには、マスターを持ち、4~5カ国語を操るハイスペックなホワイトカラーがざらにいます。いまのところ彼らの給料は5万~10万円。グローバル化が進むとそうした人たちと労働市場で争うことになるのに、日本人は危機感が薄い」