カンボジアの「1ティカル銀貨」
カンボジアとインドネシアについても1銘柄ずつ紹介いたします。
まずはカンボジアからです。カンボジアのコイン史はさらに歴史が浅く、私たちが入手できる最も古い西洋式コインは、1850年に発行された1ティカル銀貨です。タイの2バーツはイギリスの技術によって発行されましたが、1ティカルも同様と考えられます。
ただし、タイのバーツと違い作りが粗雑であることから、イギリスの関与は限定的だったでしょう。直径3センチ弱、重さ15グラムほどの中型コインですが、これでも当時の最高額面です。きっとカンボジアの経済規模では、これで十分だったのでしょう。
この銘柄には「厚型」と「薄型」があり、出現頻度は1対3くらいです。取引値は厚型のほうが高く、美品クラス(XF45)でオークション価格は30万~40万円あたりです。
この時代のカンボジアの貨幣技術は低く、打刻の圧にムラがありますし、長期間にわたって使用されたため状態の良いものは稀です。まだ割安に放置されており有望なコインだと思いますが、購入されるなら少なくとも鑑定会社のケースに入って数字が付いたもの、値は張りますができればXF45程度以上のコインをお勧めします。
インドネシアの金貨・銀貨も狙い目
東南アジア最後の1枚は、インドネシアで1972年に発行された金貨・銀貨の10枚セットです。このセットは、インドネシアがオランダから独立して25年目を記念して発行されました。
なかでも人気が高いのは2万ルピア金貨と750ルピア銀貨です。オモテ面のデザインは共通でヒンドゥー教の神様ガルーダが描かれています。この銘柄なども近年急速に値を上げており、つい10年ほど前に、2万ルピアの未流通クラスが50万円ほどで入手できた記憶があります。
今なら未流通のPR68(かろうじて銘柄がわかる状態のコイン)が600万~700万円ほどはします。
ほかにミャンマーの1キャット銀貨や、カンボジアで1860年に発行されたノロドム1世のピアストルのプルーフ貨(鏡面加工のほどこされたコイン)など、アジアには有望なコインがいくつもあります。
先ほどもお話したように、この地域のコインは経済成長性や貧富の格差拡大に加え、そもそも銘柄・残存数が少ないという点から考えて有望だと私は思います。





