毎日毎日、同じ道を歩いていないか

実際、前頭葉が萎縮して意欲をなくしたり、それこそキレやすくなっている人でも、難しい文章が読めなくなったり、計算問題ができなくなったりするわけではありません。前頭葉が老化していない年代の人でも、そういった情報処理には必ずしも前頭葉を使っているわけではなく、側頭葉や頭頂葉で情報を処理しています。そのほうが効率よくスピーディに問題を解決でき、いわば「コスパ(コストパフォーマンス)」が良いのです。

ですから、これまでの経験にしたがって簡単にこなせるルーティンワークばかりしていると、前頭葉はあまり使われません。脳の老化を遅らせようと思ったら、前頭葉に楽をさせないような頭の使い方をすべきでしょう。

そのためには、パターン化した日常を見直すのも有効です。

和田秀樹『老人は「キレる」くらいでちょうどいい』(集英社インターナショナル)
和田秀樹『老人は「キレる」くらいでちょうどいい』(集英社インターナショナル)

年を取ると、毎日ほとんど同じようなパターンで過ごしがちになる人が少なくありません。いつも同じようなテレビ番組を見て、同じ新聞を読み、同じコースで散歩をして、慣れ親しんだ行きつけの店ばかりに足を運ぶのです。

そういうワンパターンの暮らし方をしていると、情報処理が側頭葉や頭頂葉だけで間に合ってしまい、前頭葉がサボって仕事をしようとしません。

前頭葉を稼働させるには、そういうワンパターンの日常から脱却して、別の刺激を与えることが必要です。たとえば、これまで通ったことのないコースを散歩して「近所にこんなところがあったのか」と気づき、「このビルにはどんな店が入ってるんだ?」と好奇心を抱き、行ったことのない喫茶店に入ってみるだけでも、少しは前頭葉が働き始めるでしょう。

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